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神奈川近代文学館で「井上ひさし展」-「ミラノの奇蹟」上映会も

代表作「吉里吉里人」の自筆原稿(所蔵:仙台文学館)

代表作「吉里吉里人」の自筆原稿(所蔵:仙台文学館)

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 神奈川近代文学館(横浜市中区山手町110)で、「井上ひさし展-21世紀の君たちに-」が開催されている。

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 井上さんは山形県出身の小説家・劇作家・放送作家。放送作家としてNHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」(児童文学者の山本護久氏と共同執筆)、劇作家として「父と暮らせば」「きらめく星座」「藪原検校」。小説家として「ブンとフン」「吉里吉里人」(日本SF大賞受賞)「手鎖心中」(直木賞受賞)など多くの作品を残した。

 ファンタジー、伝記、歴史劇と多様な形式を用い、市井の人々から歴史上の偉人まで、さまざまな人々の生を、ユーモアと風刺を交えて描いている。

 日本国憲法第9条の改憲を防ぐために結成された「九条の会」の呼びかけ人の1人でもあり、社会問題に対し積極的に発言していた。2004年文化功労賞顕彰。2010年に75才で永眠した。

 今回の展覧会では、第1部で作家となるまでの歩みをたどり、 第2部では「吉里吉里人」「きらめく星座」などの作品に込められた次世代へのメッセージを読み解く。 第3部では、過去を物語に再生し、 同時代、そして未来の人たちへ手渡す「中継走者」としての井上さんの創作活動の様子を、蔵書や創作メモ、愛用の文具などを通して紹介する。

 神奈川近代文学館総務課の半田典子さんは「井上さんは、昔から現代社会の問題に深い関心を寄せていた。今回の展示では、井上さんが農業や原発などといった社会の問題をどう作品に表していったのか。そして、そんな井上さんが目指していたユートピアとはどのようなものだったのかを軸に展示している。展示が井上さんのメッセージを考える一助となれば」と話している。

 関連イベントとして、井上さんが「最愛の映画」と語った「ミラノの奇蹟」を上映する。ミラノにユートピアを作ろうとする人々を描いた同映画は、井上さんの創作に大きな影響を与えているという。上映会は5月4日と5日。13時30分開場、14時開演。入場料800円。

 そのほか、東京大学大学院総合文化研究科教授の小森陽一さんによる講演会「『ユートピア』と井上ひさし文学」(5月19日)、演劇評論家の扇田昭彦さんによる講演会「評伝劇と音楽劇」(5月26日)、俳優の辻萬長による朗読会(6月1日)を予定している。6月9日まで。

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