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横浜ユーラシア文化館で清朝末期の地図「自鑪庁至烏斯蔵程站輿図」特別公開

自鑪庁至烏斯蔵程站輿図の一部(四川省ダルツェンド付近)

自鑪庁至烏斯蔵程站輿図の一部(四川省ダルツェンド付近)

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 横浜ユーラシア文化館(横浜市中区日本大通12)は、清朝末期に絹に描かれた地図「自鑪庁至烏斯蔵程站輿図 鑪庁(ろちょう)より烏斯蔵(うしぞう)に至る程站輿図(ていたんよず)」を期間限定で公開している。

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 「自鑪庁至烏斯蔵程站輿図」は、19世紀末~20世紀初頭の中国で制作されたといわれる地図で、中国四川省の西方から、チベットへの道のりに、新疆(しんきょう)、ロシアに至る地域が描写されている。建物の分布なども細かく描かれた詳細な内容で、山河に囲まれた当時の道のりの険しさを想起させるものとなっている。

 発見当初から、「印刷技術の発達した清朝末期において、なぜ高価な絹に描かれた地図が作成されたのか」が疑問とされていたが、2006年には北京の国家図書館で、2008年には北京大学によく似た絵図が発見され、改めて研究が進展しつつある。

 今回の展示では、 会期前半に絵図の東半分(中国四川省ダルツェンドからチベットのラサまで)、後半では西半分(ラサからロシア境界まで)を展示する。また、地図の作品解説を12月22日と23日に行い、同館担当学芸員(22日)と同地図を研究する第1人者である東海大学文学部教授の片山章雄さん(23日)がレクチャーを務める。

 同館学芸員の畠山禎さんは「当館所蔵の地図と北京の地図にはいくつかの差異がある。そこに何か意図があるのか、書き写しの間違いなのか。今後研究が進み、いろいろ謎が解き明かされていくと思う。今回の公開によって多くの方に興味を持っていただくことができれば」と話している。

 会場は2階常設展示室「伝える」コーナー。開館時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。入館料は一般200円。小・中学生100円。月曜休館。会期前半は終了、12月24日まで。

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