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横浜美術館で写真家・梶井照陰さんの写真展「HARBIN 2009-2012」

真言宗の僧侶、写真家・梶井照陰さん

真言宗の僧侶、写真家・梶井照陰さん

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 横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)で写真家・梶井照陰さんの写真展「梶井照陰写真展 HARBIN 2009-2012」が開催されている。

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 梶井さんは現在、新潟県佐渡島の最北端・鷲崎(わしざき)で、真言宗の僧侶をする傍ら、写真家としての活動を行っている。同展では、中国の東北部に位置する都市ハルビンで、梶井さんが3年間の滞在で撮影した約60点の作品を紹介する。

 梶井さんは2009年にハルビンを初めて訪れ、大規模な開発計画により固有の都市風景や古くからの生活様式が失われようとしていることを知る。激変する生活環境と、その中に暮らす人々を捉えようと、中国語を学び、その後毎年一定の期間をハルビンに暮らし、町と人々の表情を撮り続けてきた。

 作品は、「取り壊される下町 道外区」「下町の子供」「体操おじさん」「地下鉄工事」「雑貨店の男性」「旧市街」「建設現場」「靴の修理屋」「下町の老女」「物乞い」「ヤクザ」「ニューハーフのおじさん」「電車を待つ一家」「ふたり」「廃車」「国慶節(建国記念日)で賑わう町」「水槽の魚」など。

 11月3日に行われたアーティスト・トークでは、梶井さんが写真のスライドショーを介して、都市と下町での生活環境のちがい、おばあさんから聞いた毛沢東時代の話、年越しの恒例行事となっている餃子づくり、国際結婚の現状、出稼ぎ家族の子どもたちなど、滞在先での貴重な経験を語った。

 梶井さんは「500万人が住んでいる街に沿海部からやってきた開発の波が及び、古い下町が次々と壊された。ホームステイや下町での滞在を通して目の当たりにした、多様な人々と画一化する都市景観。写真を通して本当の豊かさとは何かを考えるきっかけにしていただければ」と話している。

 会場は横浜美術館 アートギャラリー1。開催時間は11時~18時。入場無料。11月18日まで。

 梶井さんは写真集「限界集落」により平成21年度五島記念文化賞美術新人賞を受賞。横浜美術館では、2007年に開催した企画展「水の情景 - モネ、大観から現代まで」で梶井さんの写真集「NAMI」を紹介しており、同展は横浜での5年ぶりの作品展示となる。館内では梶井照陰写真集「HARBIN 2009-2012」(2,940円)を発売。

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