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YCCで横浜発・アニメ映画「HARBOR TALE」の受賞報告会

受賞の喜びを語る伊藤有壱監督

受賞の喜びを語る伊藤有壱監督

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 ヨコハマ創造都市センター(横浜市中区本町6)で7月4日、チェコの国際映画祭「ZLIN FILM FESTIVAL」で2冠を獲得した横浜発・短編アニメーション作品「HARBOR TALE(ハーバーテイル)」の受賞報告会が開催された。

レセプションで提供された「一片の赤いレンガ」を模したお菓子(カフェダイニング「SAKAE」)

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 ZLIN FILM FESTIVALは、人形アニメーション大国と言われるチェコの東南部に位置する都市「ズリーン」で5月27日から6月3日まで開催。今年で52回目を迎えるヨーロッパでも歴史ある映画祭で、アニメーションをはじめ、児童や青少年に向けた映像など、48カ国から246作品がエントリーされた。

 今回、同映画祭の子供向け短編アニメーション映画「インターナショナル・コンペティション部門」にノミネートされた60作品の中で、 I.TOON制作「ハーバーテイル」がアニメーション部門の最優秀賞と観客賞を同時受賞した。

 ハーバーテイルは、港町の洋館から抜け出した赤レンガの物語。横浜が港町「Y」のモデルとなっており、レンガ作りの洋館の一部として100年間港町のうつろいを眺め続けてきた「一片の赤いレンガ」が、ある日レンガの壁を抜け出し、街の中に出かけるとさまざまな出会いが待っているというストーリー。上映時間は18分5秒。

 4日は、「I.TOON」を主宰する伊藤有壱監督による受賞報告会と作品の上映会が行われた。伊藤監督は「金のスリッパ賞」のトロフィーを掲げながら、「港街・横浜の景色が作品全体に息づき、今まで見たことのないアニメーションだと評価されての受賞。人形アニメーションの聖地、チェコのスクリーンにこの作品が映し出され、横浜の景色を感じてもらえたことは、これまでに味わったことのない感動だった。現地の子どもたちにも喜んでもらえて感無量」と、受賞の喜びを語った。

 会場では、チェコで撮影した写真のスライドショーを交えながら、滞在中のエピソードを語る場面も。「朝9時から客席が満席で、活気ある素敵な映画祭だった。『映画祭で皆の気持ちがひとつになれる』、横浜でもこういうことを実現したい。今回の栄誉ある受賞で、作品を世界に発信する手応えを感じている。これからまた新たなことができそう」とも。

  I.TOONは、立体アニメーションを得意とするアニメーションスタジオ。2006年に横浜に移転し、元物流倉庫ビルの倉庫をリノベーションしたオフィスビル「万国橋SOKO」(中区海岸通4)にスタジオを構える。これまでに、NHK教育テレビの「ニャッキ!」やNHKみんなのうたの「グラスホッパー物語」などを手掛けてきた。

 ハーバーテイルは、粘土や人形などの立体物を撮影したストップモーション(コマ撮り)アニメーションに、現実や空想の港街の風景を最新のデジタルワークで紡ぎあわせたアニメーション映画。クラフトアニメーションディレクターの伊藤さんが、映像業界の最前線で活躍するスタッフとともに約5年間かけて完成させたオリジナルストーリーで「ネオクラフトアニメーション」と呼ばれる、技術的挑戦と実験を積み重ねて開発した新しい映像スタイルの作品。

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