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KAATで芸術監督4人がトークイベント-「劇場」は生きている

左より、KAAT芸術監督の宮本亜門さん、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の蜷川幸雄さん

左より、KAAT芸術監督の宮本亜門さん、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の蜷川幸雄さん

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 神奈川県立新ホール「神奈川芸術劇場(KAAT)」(横浜市中区山下町281)で2月26日、舞台芸術の未来を語る「KAATオープントーク Vol.1」が開催された。

 第1回目のテーマは、「劇場って何?芸術監督って何?」で、劇場ホールに県民や舞台関係者ら約380人が集まり、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の蜷川幸雄さん、KAAT芸術監督の宮本亜門さん、新国立劇場芸術監督の宮田慶子さん、まつもと市民芸術館芸術監督の串田和美さんによるトークイベントが2部構成で行われた。司会は演劇ジャーナリストの岩城京子さん。

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 宮本さんと蜷川さんの対談(第1部)では、蜷川さんが、彩の国さいたま芸術劇場の演目について、「好き嫌いは別として、他の劇場より先を行くレパートリーで、人々がうきうきしながら見に来てくれる劇場にしたいと思っている。これからも自分がいいと思ったものをやり続ける」。

 また、「劇場が豊かになり、多面的に見てもらえるように、地域の人に稽古を公開したり説明したり、コツコツとやっている。KAATのこけら落としを見たが、森田剛君は才能ある役者で『金閣寺』をよく捉えて演じていた。僕はスターも使うし、才能ある無名の役者も使う。これからも若い役者さんたちにコンスタントに場を提供し、チャンスを与えられたら」と語った。

 一方、宮本さんは「横浜は、林文子横浜市長や松沢成文県知事をはじめ、みんなの顔がよく見えて、まるで沖縄にいるようなおもしろい所。KAATオープニング作品のラインナップに関しては、賛否両論、本当にいろいろな意見をいただき、完全なひとつの正しい答えなど存在しないことが分かった」。

 また、「僕は演劇がないと生きていけない人間だから、一般の幅広い世代の人々の生活に演劇を広めてゆきたい。『こんな表現でもいいんじゃない』という実験的なものも含めて、今までの価値観を変えてしまうことに関わりたい」と抱負を語った。

 対談では、「蜷川さんは意図的にたくさん怒っているんでしょう」と質問する宮本さんに、「ちがうよ。(意図的には)怒ってないよ。ただ僕は我慢ができないから怒っているだけなんだ」と蜷川さんが答える場面も。

 蜷川さんは最後に、「いい作品は夢のようにある日突然できる。僕は人生に3本いいものが作れたら最高だと思う。演出の数が多いと言われるが、頭と体がつながるようにレッスンしながら、あと2本くらい、いいものが作れるかなと思って、『労働』という感覚で仕事をしている。サメは泳いでいないと劣化してしまうから。結構年をとるのは大変だよ」と笑顔で語った。

 同劇場では6月17日より、宮本さん演出による、KAAT初のミュージカル「太平洋序曲」を上演する。同作品は、東洋人として初めてニューヨーク ブロードウェイでトニー賞にノミネートされ、本場アメリカでロングラン公演を達成した演出家・宮本さんの代表作。

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