劇団スタジオソルトが死刑執行制度を問う第10回記念公演

上演中の『中嶋正人』より(撮影:山本麻季)

上演中の『中嶋正人』より(撮影:山本麻季)

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 横浜の小劇場界で最多の集客力を誇る劇団「studio salt」(スタジオソルト)の第10回公演「中嶋正人」が、横浜駅西口の相鉄本多劇場(横浜市西区南幸2)で上演されている。

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 同劇団は、2004年5月に横浜で旗揚げ。座付き作家・演出家の椎名泉水さんによる、人の心のひだを丁寧に描いた作品の世界観が人気。今回の作品では、初めての死刑執行に臨む新人刑務官の苦悩を通し、それぞれの立場の人々の思いをじっくりと描くことで「人が人を殺す仕事」の理不尽さについて観客に問いかける。観客より多くの再演希望の声があった第2回公演作品を全面改訂したもの。出演は、劇団を主宰する麻生0児さん、高野ユウジさん、東享司さん、木下智巳さん、鷲尾良太郎さん、大塚秀記さん、水上武さん、山ノ井史さん。

 重いテーマながらも軽妙な会話や緊張感のある演出によりいつの間にか引き込まれ、人の死や、まもなく始まる裁判員制度について思いが及ぶ骨太な社会派作品。

 「裁判員制度で身近な問題になった死刑。執行には10人以上の人がかかわっており、その中で家族のために職務をまっとうする刑務官の心情を表現した。作品を通して死刑そのものよりも世の中に『人間を殺す』仕事をする人がいるということを考える機会になれば」と椎名さん。

 上演は11月30日まで。チケット料金は前売・当日共3,000円(全席指定)。

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