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横浜で日仏共同創作現代サーカス「DADDA」 「蜘蛛の糸」を入り口に

制作風景

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 日仏共同創作現代サーカス「DADDA」2025横浜版が12月5日~7日の3日間、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町)で上演される。横浜国際舞台芸術ミーティング2025(YPAM)のフリンジブログラム登録作品。

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 現代サーカスカンパニー「瀬戸内サーカスファクトリー」が劇場用に創作したサーカス作品。芥川龍之介の「蜘蛛(くも)の糸」にインスパイアされ、極楽と地獄、輪廻(りんね)転生の世界を、空中まで使うサーカス表現で舞台化した。

 身体と重力、遠心力、バランス、円環運動など、サーカスの本質である「限界」の表現を多用しながら、「物語の軸となる罪と罰、地獄と極楽、光と闇、命をつなぐ一本の糸などを表現していく」という。

 出演は吉田亜希さん、山本栞さん、長すみ絵さん、サゴーさん。音楽は住吉祐太さん。演出は瀬戸内サーカスファクトリー代表の田中未知子さん、サーカス技術はフランスのフランスの現代サーカスカンパニー・バシンガ(CIE BASINGA)の共同設立者であり技術監督であるヤン・ナーツ(Jan Naets)さんと技術者のガエル・オネゲ(Gael Honneger)さんが支える。

 空中芸などのサーカス器具の設営技術者「リガー」はプロ・リガーの辻林薫さんと、サーカスパフォーマーの吉川健斗さんが務める。田中さんは、サーカス専用ではない劇場で現代サーカスを本格的に上演するに当たり、創作に慣れているリガーが必要だと考え、2024年8月にKAATにヤンさんとガエルさんを招いて「現代サーカスのための技術創作ラボラトリー」を約1週間にわたり開催するなど、約1年半にわたり準備を共にしてきたという。

 田中さんは「KAATは日本の中でもまれな創作に伴走してくれる劇場で、ずっとKAATでやりたかった。創作を大事にしているKAATだからこそ、大胆な創作ができている。公共劇場でここまで踏み込んだサーカス創作をできるのは恐らくKAATだけだと思う」と話す。

 同作では瀬戸内サーカスファクトリーが長年取り組んできた、石、木、紙という自然素材を使った現代サーカスで、伝統職人の技をサーカスと組み合わせて、「独創的な『蜘蛛の糸』の世界」を紡ぎ出していく。

 「フランスで生まれた現代サーカスは『唯一無二の見たことのない世界を作る』のが大命題。道具の制作からが大事。例えば蜘蛛の糸に主人公がぶらさかっていると眼下に罪人たちがアリの行列のようによじ登ってくるという表現を形にするのに、一本のロープでは表現しきれないところを複数のロープで表現したりしている」と田中さん。

 開演時間は、5日=19時30分、6日=13時・18時30分、7日=14時。5日・7日は上演後にアフタートークを行う。上演時間は60分。チケットは、前売り=4,000円、当日=4,500円。

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