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ウミガメ水槽の修繕に協力を 「ヨコハマおもしろ水族館」がクラファンで呼び掛け

「ヨコハマおもしろ水族館」が保護活動の一環として飼育している小笠原生まれのアオウミガミ。コロナ禍で入館者が少なくなってしまったなか、ゆがんでしまった水槽の新調費用を集めたいという(写真提供=ヨコハマおもしろ水族館)

「ヨコハマおもしろ水族館」が保護活動の一環として飼育している小笠原生まれのアオウミガミ。コロナ禍で入館者が少なくなってしまったなか、ゆがんでしまった水槽の新調費用を集めたいという(写真提供=ヨコハマおもしろ水族館)

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 中華街の中にある「ヨコハマおもしろ水族館」(横浜市中区山下町144)が現在、アオウミガメ用の水槽と合唱水槽の演出設備の修繕のための費用を賄うためクラウドファンディングで協力を呼び掛けている。

お魚合唱水槽の演出装置も修理が必要

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 同館には151の水槽があり、それぞれの水槽にテーマを設定。擬態や共生などの習性がある生き物や、親と子で姿が変わる生き物など、ちょっと不思議な生き物に出会える場を目指している。中国の南の島の小学校をモチーフに、下駄箱水槽や実験水槽を用意するほか、クイズで楽しみながら魚について学ぶ工夫も施す。

 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令や外出自粛の呼び掛けを受け、同館も4月7日から休館。休館中、餌や水、電気を節約するため、生き物を移動して使う水槽を減らしたり、餌をできるだけ少なくして水が汚れないように配慮したりしたという。その後、準備を整えて7月17日、約3カ月ぶりに再開。再開はしたものの入館者は例年の約5割にとどまり、餌や水、設備の維持のための費用が十分ではなくなり、賛同者から資金を集めることにしたという。

 クラウドファンディングによる資金集めを決断した理由の一つが、オンラインを通じた新たなつながり。同館では休館時からオンラインでの映像配信を始めたが、それによって「新しいつながりが生まれ、応援してくれる人もいる」(運営企画部の宇野喬さん)。休館中、窮屈な思いをさせた魚に、なるべく快適な環境とおいしい食事を提供したいと考え、新たな来館客づくりも含め、クラウドファンディングを呼び掛けることに決めた。

 クラウドファンディングで集めたい資金の一つが、アオウミガメの水槽の新調費用。同館では、保護活動の一環として小笠原で生まれたアオウミガメをNPOから預かり、1年間かけて成長させる取り組みを続けているが、この活動に使っている水槽が水圧でゆがんでいる歪んでいることが分かったため、新しい水槽を購入したいという。

 もう一つが、音楽と照明を使った演出により、トンネルで仕切られた2つの水槽を行き来できるように調教したデバスズメダイを展示している「お魚合唱水槽」の演出機械の修理。

 こうした目的のために、同館は第1目標として290万円を設定。11月9日、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で呼び掛けを始めた。協力者には金額に応じて、夜の水族館貸し切りガイドツアーや水槽プロデュース権、餌やり体験などのリターンを用意する。第1目標を超える資金が集まった場合は、餌代などに活用する。

 宇野さんは「コロナ禍でどこも厳しい状況だと思うが、こういうご時世だからこそ、水族館には、癒やしや、子どものころから環境や生き物に親しむという役割があるのでは。資金が集まったときには、現在オンラインで見ている人にも実際にお越しいただき、応援のおかげで修復できた水槽で生物を見てほしい」と話す。

 開館時間は10時~18時。入館料は大人1,500円ほか。

 クラウドファンディングは、目標金額を達成した場合のみ、支援金を受け取ることができる「All-or-Nothing方式」で、支援募集は12月22日23時まで。

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