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「第40回ヨコハマ映画祭」日本映画ベスト10が決定 「寝ても覚めても」が6冠

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINEMAS

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 ヨコハマ映画祭実行委員会は、映画ファンが主催する映画祭として知られる「第40回ヨコハマ映画祭」の開催に先駆け、2018年度の日本映画ベストテンと個人賞を発表した。

社会現象にもなった「カメラを止めるな!」が審査員特別賞に

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 40回目を迎える同映画祭は、自治体やスポンサーからの支援を受けず、会社員や学生など日本映画ファンがボランティアで主催する映画祭。

 グランプリは濱口竜介監督の「寝ても覚めても」。芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を映画化したラブストーリーで、同じ容姿の2人の男性の間で揺れ動く女性の心を丁寧に描く。同映画祭で作品賞、監督賞、撮影賞、主演男優賞、助演女優賞、最優秀新人賞の最多6冠を獲得した。

 2位は白石和彌監督「孤狼の血」、3位は是枝裕和監督「万引き家族」。以下、4位「花筐 / HANAGATAMI」(大林宣彦監督)、5位「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)、6位「菊とギロチン」(瀬々敬久監督)、7位「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)、8位「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督)、9位「鈴木家の嘘」(野尻克己監督)、10位 「モリのいる場所」(沖田修一監督)と「日日是好日」(大森立嗣監督)と続く。

 主演男優賞は「寝ても覚めても」「菊とギロチン」「OVER DRIVE」の東出昌大さんと「孤狼の血」の役所広司さん。主演女優賞は「万引き家族」の安藤サクラさん。最優秀新人賞に輝いたのは、唐田えりかさん(「寝ても覚めても」)、吉沢亮さん(「リバーズ・エッジ」「銀魂2」「ママレード・ボーイ」)、木竜麻生さん(「菊とギロチン」「鈴木家の嘘」)。そのほか、社会現象にもなったヒット作「カメラを止めるな!」に、その公開までの道のり、ムーブメント全体に審査員特別賞が贈られる。今年の各賞は映画評論家、映画ファンなど38人の投票で決定した。

 表彰式と上映会は、来年2月3日に関内ホール(横浜市中区住吉町4)で開催される。当日は、「寝ても覚めても」「鈴木家の嘘」「孤狼の血」の3作品を上映するほか、各賞受賞者やゲストを招いた表彰式などを開催。入場料は前売2,700円、当日3,000円。一般発売は12月15日10時から。詳細は同映画祭ホームページで。

 ヨコハマ映画祭実行委員会の北見秋満さんは「『寝ても覚めても』はカンヌのコンペに出たことの信用力だけでなく、映画の表現が持つ力強さが抜きんでていた。近年の日本映画に欠けていた気品までも作品世界に盛り込んでみせた破格な映画だと思う。そのことに大きく寄与したのは独特の演出スタイルを追求する濱口竜介監督の霊感的確信であり、佐々木靖之キャメラマンの抜きんでた撮影技術に裏付けられたセンスの良さだと思う。ふたりは、東京藝大横浜キャンパスで切磋琢磨した仲であり、そういう意味でもヨコハマから世界に羽ばたいていく才能がこれからいよいよ注目を集めるのでは」と語る。

 同映画祭で審査員を務めるのは映画評論家や映画ライターなどの映画関係者と一般映画ファンで、映画人と映画ファンの出会いの場となっている。今年1月に行われた「第39回ヨコハマ映画祭」には、主演男優賞を受賞した池松壮亮さん、主演女優賞の蒼井優さんら映画人と1,100人の映画ファンが訪れた。

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