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最新の地理空間技術とXperia、iPadで施設探索。
実証実験「クイーンズ探検隊」体験レポート!

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■クイーンズ探検隊の内容

今回、屋内での位置情報を使ったサービスについて、デジタル化された屋内空間と、測位を利用した場合、人の行動にどのような変化が現れるかを4つのモデル実証により検証が行われた。具体的な4つのモデル実証に関しては、下記の通りだ。

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■つぶやき地図体験!~屋内リアルタイムマップ~

インディゴ株式会社が提供したのは、屋内リアルタイムマップ。屋内空間のフロアマップと現在位置情報が連動する点とフロアマップ上に店舗のつぶやきが表示される事が特徴となっている。

店舗のつぶやきとしては新着、限定、話題の3つのカテゴリーの情報が表示され、つぶやきから興味を持ち、店舗に足を運ぶという利用シーンが思い浮かぶ。結果、施設内の回遊率が高まる。

検証内容の1点目である「屋内屋外の接続性検証」について、本クイーンズスクエアに入る前(屋外)と入ってから(屋内)の接続はシームレスで違和感なく行われており、達成できている。2点目の「初期導入コストの低減」についても、今回の検証結果を通じ、ノウハウを蓄積されたようだ。

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■言葉ナビゲーション!~屋内回遊支援サービス~

国際航業株式会社は、言葉による屋内ナビゲーションを提供した。

このサービスの特徴の1つは、言葉によるナビゲーションだ。これは先の「つぶやき地図体験」のようにフロアマップを使ってナビゲーションするのではなく、現在位置から目的地までの道案内を言葉で行う。例えば、「直進し、右手のエスカレーターを下り、下りたら左折」などカーナビのように親切に誘導してくれるのだ。ナビゲーション内容は現在位置に応じて臨機応変に更新される。

屋内施設にも係らず精度が高く、数回試したところ、ほぼ問題なく目的の店舗にたどり着くことが出来た。一方、画面を見ながら歩くと人や障害物にぶつかりそうになるため、カーナビと同じく音声案内にするなど、複数の案内パターンがあるとより便利になりそうだ。

特徴の2つめは、現在地付近の店舗のお得情報表示。付近のお得情報が表示されるため、普段は立ち寄らない店舗・ブランドでも「ちょっと寄ってみようか」となる利用シーンが思い浮かぶ。

検証内容の1点目「近傍リアルタイム情報提供による、回遊行動性検証」については、自分が興味を持っているジャンルやブランドの商品についてつぶやきがあると、やはり見たくなるので、回遊時間や店舗訪問の頻度は上がるものと思われる。今回は実証実験であるため、店舗から提供されている情報が少なかったが、店舗側が積極的に情報を出してくるようになると、例えばフロア内のビジネスバッグのつぶやき情報のみを見るという使い方ができ、利便性が高まる。このため回遊行動に面白い結果が出てくるかもしれない。2点目の「ことば案内のユーザビリティ検証」ならびに3点目の「行動履歴によるレコメンデーションサービス検証」については、今回のフィードバックを受けてより洗練された形で更新されていく事が期待される。

【PDF】文字で配信するスマートフォン用屋内位置情報サービスを提供 ~横浜みなとみらい「クイーンズスクエア横浜」で体験イベントを実施~ 【国際航業HD】

モバイルAR体験!~GnGでスマートショッピング体験~

クウジット株式会社が提供するのは、同社の汎用アプリ「GET and GO(GnG)」のカスタマイズバージョンだ。

このサービスの特徴は、メイン画面からのおすすめ店舗情報表示、フロアマップとマーカー表示、CyberCode(ARマーカー)からの商品情報表示、そしてARナビの4点となる。協力店舗の特定の場所にARマーカーが配置してあり、フロアマップ上で参照できる。ARマーカーにスマートフォンをかざすと、その棚の商品の中でのおすすめ情報が表示される。ARマーカーをかざした際にアニメーションが表示される。今回はクイーンズイーストのロゴが出てきたのだが、この表現が非常に豊かで驚いた。

検証内容は、「ARナビによる屋内空間利用者への利便性検証」である。現状のARナビは、同じフロアで迷ってしまった際に、目的の店舗がどの方向にあるかを認識するには良い方法だと言える。また、実際にカメラに前方向を映しながら歩くため、人や障害物にぶつかってしまう危険性も減る。大型のアウトレットモールなどは、今自分がどこにいて、目的の店舗の方向が分からないなることが多々あるので、そういった複雑な構造の施設において活用できそうだ。

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携帯位置ゲーム!~屋内携帯スタンプラリー~

株式会社マピオンは、75万人の会員を抱える「ケータイ国盗り合戦」上で「携帯位置ゲーム!屋内携帯スタンプラリー」を行った。

本サービスは携帯電話からGPSや基地局から位置情報を取得、送信(以下、チェックインという)し、エリアを陣取って行く。まさに国盗り合戦のゲーム版と言える。その中、今回は後述する検証内容に加え、屋外ではなく屋内の位置情報を取得し、チェックインさせるために、測位と屋内空間データを利用している。

今回、目的の箇所に近い箇所で問題なくチェックインできた。チェックインした場所が前後しているということもあったが、実証実験ならではの設定のミスか、たまたま発生した事象だと思われる。

測位と屋内空間データを利用したチェックインのメリットとしては、まずチェックインがし易い事、そして屋内にQRコードを配置する場合とは異なり、実際に現地に行かずにチェックインする不正がしにくいこと、2つのメリットが挙げられる。特にチェックインの不正は位置情報ゲームとしては致命的なので、屋内をチェックイン可能なエリアとする場合、今回の実証実験の結果は非常に活きてくるだろう。

検証内容としては2点あり、まずは「屋内スタンプラリーによるインセンティブ効果検証」、そして「シリアルコードによる位置情報認証の詐称防止効果検証」である。マピオンの浜矢氏によると、前者に関してはゲーム内のポイントが欲しいために数万円の購入をした方やシリアルコードを複数もらうために複数回に渡って同じ店で購買した方がいた事で、明確にインセンティブ効果効果が検証できたという。後者に関しても、一度のみ有効なシリアルコードにしたことで、知人にコードを渡す不正の防止ができたそうだ。

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■クイーンズ探検隊の次の展開

クイーンズスクエアは吹き抜けで複雑な建物構造となっており、一般人も多く訪れる場所であるため、今回は非常にチャレンジングな試みだったと言える。その試みに対し、各社さまざまな観点で今回の実証実験に参画していたが、おおむね検証内容は達成できているのではないだろうか。場所によっては、位置情報が多少正確性に欠けている面も見受けられたが、今回の実証実験を通じて修正され、ブラッシュアップされていくことだろう。

位置情報を使ったサービスの分野は、その分野のリーダーのfoursquareが会員数を大きく伸ばし、facebookやmixiも位置情報を使ったチェックイン機能を取り入れたりと、非常に注目されている成長分野である。

今回の実証実験を通じて、屋内の位置情報の精度向上と事業化の目処が達成され、展開されていけば、「G空間プロジェクト」における2013年に10兆円の市場創出という高い目標の達成も視野に入ってくるだろう。

井形信 + ヨコハマ経済新聞編集部

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