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プレスリリース

【岡山大学】全身性エリテマトーデスで免疫力が低下する原因分子を同定

リリース発行企業:国立大学法人岡山大学

情報提供:

岡山大学は10学部・1プログラム、8研究科、4研究所、附属病院、附属学校を有する総合大学型の国立大学法人です。 今回、最新の研究成果をわかりやすく紹介する「FOCUS ON」を発行しました。ぜびご覧ください!


2021(令和3)年 12月 19日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>


全身性エリテマトーデス(SLE)の死亡原因の一位は感染症です。
CD38は、CD8 陽性T細胞の機能を弱らせ、感染症にかかりやすい原因となります。
CD38は、感染症の副作用の少ない治療ターゲットにつながる可能性があります。



◆発表者
 岡山大学 学術研究院 保健学域 准教授 勝山惠理


◆導 入
 膠原病は、自分の細胞が自分を攻撃する「自己免疫」という異常な免疫力が活性化している病気全般を指します。膠原病はさまざまな自己免疫性疾患の総称です。膠原病の中でも「全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)」は、20~40 代の若い女性に発症し、脳、心、肺、腎、血管などの重要臓器や、皮膚、関節にまで広く炎症をおこします。生涯、ステロイドや免疫抑制剤での治療が必要なため、副作用ができるだけ少ない薬が望まれます。SLE患者さんは妊娠適齢期で病気を発症することも多く、ライフイベントの多いSLE患者さんも安心して受けられる医療に貢献したいと思い、SLEに関する研究を開始しました。


◆背 景
 全身性エリテマトーデスは、免疫を司るリンパ球の異常をきたします。リンパ球はさらに細かい集団に分かれ、その中でもCD8陽性T細胞は感染症から体を守るために、ウイルスなどに感染してしまった感染細胞を傷害する能力(細胞障害能)を持ちます。過去の論文から、SLEではこのCD8陽性T細胞の機能がそもそも低下しているとされ、SLE患者さんはウイルスや寄生虫などにもかかりやすいことが示されています。これはSLE患者さんの感染症へのかかりやすさの原因が、免疫抑制剤を使うことだけではないことを示していますが、詳しいメカニズムは不明です。そこで、我々は、SLEにおけるCD8陽性T細胞の機能がなぜ低下しているかというメカニズムを解明したいと考えました。


◆研究内容、業績
 まず年齢が同じSLE患者さんと健康な人の血液のTリンパ球を比較し、表面マーカーであるCD38がCD8陽性T細胞上ではSLE患者群で上昇していました。さらにCD38の発現と患者さんのカルテに記載された症状を比較すると、CD38が低いSLE患者群では感染症に一人もかかっておらず、CD38の発現がある一定の数値より高い群では感染症に一度以上かかっていることが判明しました。

 そこで、CD38分子を高発現しているCD8陽性T細胞は、その主な機能である細胞障害能がうまく発揮できず、感染症を排除できなくなっているのではないかと仮説をたて研究を計画しました。以下はすべてSLE患者さん由来の細胞を使わせていただいた結果です。



 まず、CD8陽性T細胞は、感染細胞を傷害するために必要なパーフォリン、グランザイムといった細胞障害性物質を分泌しますが、その分泌物がCD38高発現C群では、CD38低発現群よりも低下していました。また、上記の細胞障害性物質の発現を司る転写因子の発現(特にRUNX3)もCD38 高発現群で低下していました。これはCD38がCD8陽性T細胞上に多く発現すると、適切に感染細胞を殺すことができないことを意味します。さらに詳しい機序として、CD38の下流因子であるSirtuin1活性やメチル化の増強をきたしている点を明らかにし、このCD38の下流因子を阻害するとSLE患者さんの細胞障害能が回復することを示しました。これはCD38の働きを阻害すると、SLE患者さんが感染症にかかりにくくなる可能性を示しています。


◆展 望
 今後はCD38自身や、今回つきとめた下流因子の働きを妨げる阻害薬を使って、新たに感染症が起こりにくい免疫抑制剤の開発につながる可能性があります。また、どのタイプの患者さんが感染症を起こしやすいかをCD38の発現度によって予測できる可能性を探っていきます。



研究紹介FOCUS ON:全身性エリテマトーデスで免疫力が低下する原因分子を同定
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press2021216-1.pdf



◆参 考
・岡山大学医学部保健学科・大学院保健学研究科
 https://www.fhs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 保健学域 准教授 勝山惠理
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:086-235-7234

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
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 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

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