三溪園「鶴翔閣」でお正月イベント-箸と庖丁で魚をさばく儀式も

三溪園鶴翔閣で実施される庖丁式の様子

三溪園鶴翔閣で実施される庖丁式の様子

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 三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で2012年1月1日から3日間、恒例のお正月イベント「三溪園で過ごすお正月」が開催される。

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 三溪園は2000年より、同園の創設者 原三溪が壮年期・晩年期の住まいとして建てた「鶴翔閣(かくしょうかく)」(横浜市指定有形文化財)を正月三が日限定で公開している。期間中は同施設の内部が自由に見学でき、建物の中で正月にちなんだ日替わりの催しが行われる。

 鶴翔閣(1902年建築)は、三溪が子供たちと暮らした延床面積約950平方メートルの近代和風建築で、その名称は鶴が飛翔(ひしょう)する姿を思わせる外観からとったと言われている。当時、横山大観や和辻哲郎など多くの文化人が出入りしていた。2010年に開催されたAPEC横浜では、各国首脳夫人を招いて茶会が実施された。最近ではウェディング会場としても人気がある。 

 日替わりイベントの会場は鶴翔閣内 楽室棟。1日は「アトリエ箏こだま」による筝曲演奏で、曲目「春の海」「春の訪れ」「泉」「春の曲」「千鳥の曲」「変化」などを演奏する。2日は「庖丁式」。式台は「出船之鯛」で、出演は横浜萬屋心友会、演奏は興禅寺雅楽会。食材に手を触れずに箸(はし)と庖丁のみで魚や鳥をさばく伝統的な儀式が行われる。3日には、お囃子を実施。横濱本牧囃子連が「寿獅子」「鈴隠し」「たぬきばやし」「松づくし」「ひとっぱやし」などの演目を披露する。

 三溪園保勝会事業課 広報担当の吉川利一さんは「鶴翔閣は、原家の住まいとして使われただけではなく、横山大観が滞在して制作を行ったり、夏目漱石や芥川龍之介が三溪の古美術コレクションを鑑賞したりと、文化サロンとしての役割も果たしたところです。こうした近代の日本文化の一端を育んだとも言える場所で、のんびり過ごすお正月もいかがでしょうか」と話す。

 お正月イベントの開催時間は9時~16時。開園時間は9時~17時(入園は16時30分まで)。入園料は大人500円、65歳以上300円、小学生200円。12月29日~31日の3日間は休園。

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