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KAATで現代美術作家・やなぎみわ演劇公演「1924 海戦」

やなぎみわ演劇プロジェクトvol.1「1924 Tokyo-Berlin」より

やなぎみわ演劇プロジェクトvol.1「1924 Tokyo-Berlin」より

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 KAAT 神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町281)で11月3日、現代美術作家・やなぎみわ演劇プロジェクトvol.2「1924 海戦」が開幕する。

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 同作は、演劇作品「1924」3部作の第2部で、第1部「1924 Tokyo-Berlin」は7月に京都国立近代美術館で上演された。第3部「1924 人間機械(仮)」の公演時期・期間は未定。ヨコハマトリエンナーレ2011連携プログラムとして行われる。

 舞台は、関東大震災の翌年1924年に創設された日本初の近代劇場「築地小劇場」。やなぎみわが、築地小劇場と、その旗揚げ公演「海戦」(土方与志演出)に関わった人々の物語を描く。

 原案・演出・美術=やなぎみわ、脚本=あごうさとし。出演者は、金替康博(MONO)、富岡晃一郎、山本麻貴、大久保綾乃、植田真介(文学座)、川口覚、山森大輔(文学座)、遠山悠介、下村マヒロ、南拓哉(文学座)、関輝雄(文学座)。

 やなぎさんは「1924年、関東大震災からわずか10カ月後に初公演を成し遂げた築地小劇場。『海戦』では、近代演劇の実現を夢に、驚くべき行動力で日本初の小劇場を創設した芸術家たちを描きます。偉大な明治と激動の昭和の間の大正期1920年代は未分化で多彩な才能が花開きました。その中で、明治に大急ぎで輸入した近代的な合理主義、科学主義への批判が芽生えました。それはとくに敗戦国ドイツと、初めての近代戦争に勝利しながら関東大震災に見舞われた後の東京で、鮮明な形をとっています。1920年代を、前衛と言われた芸術の誕生とその後の軌跡を、今、見つめておきたいのです」と語る。

 ドイツの劇作家R.ゲーリングによる演劇作品「海戦」は、前代未聞の設計と舞台構造を持つ小劇場で上演され、聞き取れないほどの早い台詞(セリフ)、絶叫と爆音で注目を集めた。今回は、全編のほとんどが洋上に浮かぶ戦艦の内部で繰り広げられる「海戦」の舞台美術を再現し、歴史的舞台をめぐる劇中劇として再構成する。やなぎが劇場での演劇公演を手掛けるのは、同作が初めて。開場から開演までの間に、やなぎ作品のモチーフとしてたびたび起用されてきた「案内嬢」による場内ツアーを予定している。

 5日19時の回終演後は、ゲストに筑波大学教授の五十殿利治さんを迎えたアフタートークを実施。公演期間中は、同劇場ホワイエでコスチュームジュエリーブランド「petite robe noire」による1920年代を思わせるアクセサリーを展示・販売する。

 会場はKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ。チケットは一般3,500円。枚数限定で、シルバー割引3,000円、U24チケット1,750円、高校生以下割引1,000円。購入は神奈川芸術劇場(TEL 045-662-8866 :チケットかながわ)ほか。11月6日まで全5公演。3日の公演は託児サービス付き(事前予約制)。

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