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横浜美術館で現代美術家・高嶺格さんの展覧会「とおくてよくみえない」

高嶺 格「とおくてよくみえない」“Too Far To See” ※本展イメージ画像

高嶺 格「とおくてよくみえない」“Too Far To See” ※本展イメージ画像

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 横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)で1月21日より、企画展「高嶺格:とおくてよくみえない」が開催される。

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 同展は現代美術家・演出家である高嶺格さんの大規模な個展。2000年代初頭の作品から、横浜で滞在制作した新作まで約11件を、多彩な表現形態により、人間の行為に潜む矛盾や非合理な側面に目を向け、批評的かつユーモアあふれる作品として展示する。

 作品は、9・11事件後のアメリカのアフガニスタン侵攻政策に対する批判を出発点に、クレイアニメの手法で制作された映像作品《God Bless America》、自身の恋人との関係性から、在日外国人をめぐる差別的な感情の問題に触れた映像インスタレーション《ベイビー・インサドン》など。

 高嶺さんが昨年から横浜美術館と黄金町エリアマネジメントセンターで滞在制作した体験型のインスタレーションも紹介する。

 会期中は関連イベントとして、横浜トリエンナーレ2011のアーティスティック・ディレクター三木あき子さんと高嶺さんの対談「三木あき子氏×高嶺格氏 クロストーク」(1月22日)、高嶺さんが出品作品や展覧会テーマ、横浜での滞在制作について語る「高嶺格氏 トーク」(3月19日)、横浜美術館学芸員によるレクチャー(2月5日・12日、3月6日)を実施。会場は横浜美術館レクチャーホール、いずれも無料。

 横浜美術館の広報担当者は、「同展は高嶺格の首都圏初の大規模な個展で、サブタイトルの『とおくてよくみえない』とは、混雑した展覧会で観客がしばしば発するフレーズの一つです。本来、自由な表現によって成り立つ美術作品が、美術館や展覧会というさまざまな制約の中で展示されることで生じる矛盾。最新作において高嶺が制作の出発点に据えたのは、そうした齟齬に対する素朴な疑問と興味です」と話す。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで開館。入館は閉館の30分前まで)。木曜休館。入場料は一般1,100円、大学・高校生700円、中学生400円、小学生以下無料。3月20日まで。

 高嶺さんは鹿児島県出身、滋賀県在住。京都市立芸術大学工芸科漆工専攻卒。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー修了。2003年「在日の恋人」(NPO丹波マンガン記念館、京都)、「Good House, Nice Body ~いい家・よい体」(金沢21世紀美術館、石川)などの個展のほか、2003年「第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ」、2004年「釜山ビエンナーレ」、2005年「横浜トリエンナーレ」、2010年「あいちトリエンナーレ」など、数々の国際展や国内外のグループ展に参加している。

 ダンス作品における舞台美術、音楽家とのコラボレーションなど他ジャンルとの共同制作も多く、近年は自らが演出を手がける舞台作品を発表し、演出家としても活動している。

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