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神奈川芸術劇場「KAAT」がオープン-新たな舞台芸術の拠点が誕生

初代芸術監督を務める演出家の宮本亜門さん

初代芸術監督を務める演出家の宮本亜門さん

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 演劇、ミュージカル、ダンスなどの舞台芸術専用の施設として神奈川県立新ホール「神奈川芸術劇場」(横浜市中区山下町281)が1月11日にオープンし、開館記念式典が行われた。

 神奈川芸術劇場の愛称は「KAAT(カート)」。開港以来の歴史を持つ同地区を県の文化芸術の拠点とし、優れた舞台芸術作品の鑑賞機会を提供することを目的に新設された。

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 芸術の創造「モノをつくる」、人材の育成「人をつくる」、にぎわいの創出「まちをつくる」をテーマとした「創造型劇場」を目指していく。初代芸術監督を務めるのは演出家の宮本亜門さん。

 式典には、松沢成文神奈川県知事、林文子横浜市長、宮本亜門さんをはじめ、来賓や関係者、県民公募招待客ら約800人が出席。式典後に、野村萬斎さんら出演による能楽『翁』が披露された。

 松沢知事は「『モノ』『人』『まち』の3つをつくる、末永く愛される劇場になってほしい。神奈川ならではの芸術発信に期待している」と話し、林市長は、「厳しく辛いときでも、素晴らしい芸術をみると勇気をもらい、がんばろうという気持ちになる。宮本亜門さんはチームワークを大切にされる、人をひきつけるパワーをもつ方。ぜひ神奈川全域を盛り上げてほしい」とあいさつ。

 紋付き袴(はかま)姿で登場した宮本さんは「劇場はお客さんがいて、活気があって、はじめて魂が宿ります。今日産声を上げたKAATを、ともに力を合わせて育ててほしい。いろいろな感動を共有し、『生きていることの素晴らしさ』を分かち合えるハブにできれば」と抱負を語った。

 オープニングを飾る演目は日本文学シリーズ。1月17日~23日=「浮標(ぶい)」(長塚圭史演出、三好十郎原作)、1月29日~2月14日=「金閣寺」(宮本亜門演出、三島由紀夫原作)、2月2日~15日=「ゾウガメのソニックライフ」(岡田利規作・演出、チェルフィッチュ)。

 3月11日~21日=「Kappa/或小説」(三浦基演出、芥川龍之介原作、劇団「地点」)、3月12日~13日=春風亭小朝「春風亭小朝独演会」、3月25日~27日=「はなれ瞽女(ごぜ)おりん」(平常:たいらじょう脚本・演出・美術・作曲・人形操演、水上勉原作)、3月23日~27日=「杉本文楽 木偶坊 入情(でくのぼういりなさけ) 曾根崎心中 付り(つけたり)観音廻り」(杉本博司構成・演出・美術・映像、近松門左衛門作、作曲 鶴澤清治)。

 そのほか、2月14日~20日=「国際舞台芸術ミーティングin横浜+IETMサテライト・ミーティングin横浜」、4月20日~5月1日=人間ドラマ「国民の映画」(三谷幸喜作・演出)が上演される。

 神奈川芸術劇場の建物は、高さ約50メートル(NHKアンテナタワーを含めると約105メートル)で地上10階・地下1階建て。NHK横浜放送局放送会館と駐車場を併設する。建築面積は約4,800平方メートル、延べ床面積約18,000平方メートル(NHKを含む全体面積=約24,000平方メートル)。神奈川芸術文化財団が神奈川県民ホールと一体的に運営する。

 客席に「床昇降システム」を導入する約1,300席のホールのほか、小劇場・稽古場・イベント会場などさまざまな用途に使用できるスタジオ「大スタジオ」(約400平方メートル)、中・小スタジオ(約400平方メートル)、アトリエなど多様な設備を備える。

 市街地再開発に係る経費を含めた建物の建設費は約124億円。同施設の取得に伴い、県は約34億円を出資した。2010年度の事業費総額は約330,951千円(うち、指定管理料120,000千円)。

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