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神奈川近代文学館で「小泉八雲」展-直筆の怪談「雪おんな」も

アイルランド人の作家、教育者、ジャーナリストで日本文化の紹介者として知られる「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」の肖像写真(1889年頃)

アイルランド人の作家、教育者、ジャーナリストで日本文化の紹介者として知られる「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」の肖像写真(1889年頃)

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 神奈川近代文学館(横浜市中区山手町110)で、アイルランド人の作家、教育者、ジャーナリストで日本文化の紹介者でもある「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)展」が開催されている。主催は県立神奈川近代文学館・財団法人神奈川文学振興会。

 同展は、1890年4月4日に雑誌社の特派員として横浜に到着した小泉八雲の生誕160年、来日120年を記念した展覧会。来日当初の日本各地の印象を収めた紀行文学「知られぬ日本の面影」(日本瞥見記)、民間伝承や古典に基づく再話文学(「怪談」など)には、急速な近代化とともに失われてゆく古い日本の伝統、習俗、信仰への哀惜が表現されている。

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 会期中は、横浜、鎌倉、江の島など、ハーンゆかりの地・神奈川にスポットを当てながら、約400点の展示資料(草稿、書簡、初版本、遺愛品、旧蔵書、写真など)を公開。ハーンが講師として赴任した松江をはじめ、各地で行われている八雲関連行事、現在刊行されている作品集などを展示し、現代から未来へと受け継がれていく小泉八雲の姿を紹介する。

 展示構成は、プロローグ「特派員ラフカディオ・ハーン、横浜上陸-ハーンと神奈川」、第1部「来日まで 1850~1890」、第2部「日本の面影をたずねて-松江、熊本、神戸時代-1890~1896」、第3部「旅の終わり-東京時代-1896~1904」、第4部「小泉八雲・怪談 Kwaidanの世界」、エプローグ「現代、そして未来へ」。

 出品資料は、「耳なし芳一のはなし」「むじな」「雪おんな」など、ハーンの怪談の直筆草稿類、日本人の妻・セツ宛のたどたどしく書かれたカタカナ書きの書簡、息子の一雄をモデルに描かれた鈴木朱雀画「小泉八雲」、左目を失明し、右目の視力も弱かったハーンが特注した天板の高い机(レプリカ)。来館者はこの机にすわることが可能。

 「ハーンについてよく知っていると思っていたが、原文が英語だったことは知らなかった」「松江に行かないとハーンに出会えないと思っていたが、横浜でのゆかりも知ることができよかった」「松江を旅行したくなった」など、来館者からさまざまな声が寄せられているという。

 関連イベントとして、会期中の毎週金曜14時より、展示館1階エントランスホールでギャラリートークを実施する。

 神奈川近代文学館の半田典子さんは「両親の離婚を経て、貧困や孤独に耐えながら読書とペンの力によって自らの運命を切りひらいたハーン。展示品を通して、波瀾万丈(はらんばんじょう)の生涯、そして、失われゆく日本文化への愛情の深さを知っていただければ幸甚です。ハーンの視点から、新しい日本の姿や魅力に気付くことができるのでは」と話す。

 会場は神奈川近代文学館の第2・第3展示室。開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。観覧料は一般600円、20歳未満・学生300円、高校生以下・65歳以上は無料。11月14日まで。

 ラフカディオ・ハーンは1890年に横浜に来日後、同年8月末、松江に中学講師として赴任。教壇に立つ傍ら、山陰各地を旅しながら、庶民の文化・風俗・信仰などを記録し、紀行作品として欧米に発表した。一家で熊本、神戸に移り住み、教師、新聞記者として執筆活動を続け、神戸時代には、自分が亡き後の妻子の生活を案じ、日本への帰化を果たした。小泉八雲の作品は各国語に翻訳されており、国内では明治以来多くの教科書に採用され子どもたちに日本の伝統や教訓、昔話を伝えている。

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