象の鼻パークで「横浜港港湾労働者供養祭」-大道芸イベントも

「横浜港港湾労働者供養塔」

「横浜港港湾労働者供養塔」

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 開港記念日にあたる6月2日、象の鼻パーク(横浜市中区海岸通1)で「横浜港港湾労働者供養祭」が開催される。

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 横浜港は戦後の経済復興期、着岸待ちの貨物船で混雑し、長時間・重労働・危険作業の港湾労働が行われていた。港湾労働者は「象の鼻」から通船で沖合に向かい、停泊中の貨物船で荷役作業を行っており、作業中に不慮の事故で亡くなる人が少なくなかったという。

 供養塔は1974年、港での仕事に生涯を捧げ、その発展に尽くした人々の霊を慰めるため、当時の港湾荷役の中心地だった山下ふ頭の公園に建立された。昨年5月、開港150周年に合わせて整備された横浜港発祥の地「象の鼻パーク」に移設され、塔には現在、横浜港150年の発展の過程で港湾荷役などに従事して亡くなった人やその家族2,822柱の御霊が祀られている。

 今年から開港記念日にあたる6月2日に、横浜港運協会が「みなと祭港湾関連行事」の一環として市民参加型の「供養祭」を実施する。

 供養祭では、港湾関係者約400人による献花後、一般市民約1,500人による献花が行われる。当日は大道芸人によるバルーン、ジャグリング、足長パフォーマンスが行われ、子どもが楽しめるイベント(輪投げコーナーやスーパーボールすくい)も予定している。

 献花参列者には、横浜港の発展と港湾労働者の歴史などを記載したパンフレットとお土産がプレゼントされるほか、先着500人に記念品を贈呈。

 会場は大さん橋入口象の鼻パークの横浜港港湾労働者供養塔前。開催時間は10時30分~15時、雨天決行。問い合わせは横浜港湾福利厚生協会(TEL 045-681-6751)まで。

 「象の鼻地区」は、大さん橋国際客船ターミナルのつけねからのびる防波堤の周辺地区で、みなとみらい21地区から山下公園を結ぶ水際線と日本大通りや大さん橋との接点となるエリア。面積は約4ヘクタール。防波堤を上から見ると象の鼻に似ていることから名付けられた。象の鼻パークは、横浜市在住の建築家・小泉雅生さんが「みなと横浜の原点」を可視化する大きな風景をイメージして設計し、「横浜の歴史と未来をつなぐ象徴的な空間~時の港~」という理念のもと整備された。

 供養塔の移設前は、毎年春に港湾労働者供養霊前祭を行い、災害根絶を期した毎月の「防犯パトロール」では同供養塔で手を合わせてから出発していた。秋には、久保山霊堂で、国、県、市の官庁をはじめ、遺族、港湾関係者が集まり慰霊祭を実施している。塔の由来は塔の背面に記載されている。

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