創造拠点ZAIMでコンペ2009受賞展-3アーティストの作品展示

3月の閉館が決定しているZAIM

3月の閉館が決定しているZAIM

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 アーティストやクリエーターが入居している「ZAIM」(横浜市中区日本大通34)で2月20日から、「YOKOHAMA創造界隈ZAIMコンペ2009」の受賞作品展が開催される。

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 同コンペは、昨年秋に35歳以下の若手アーティストを対象として行われたもの。創造界隈拠点・ZAIMは2006年にオープンし、今年3月に閉館を迎えることが決定している。今回のコンペでは、ZAIMの歩みや特徴・立地、空間を生かした展示やパフォーマンス、音楽等の作品を募集し、26組の応募があったという。

 展示されるのは、選考の結果、受賞した大山エンリコイサムさん・荻野竜一さんの作品「Inside Out of Contexts」と、玉田多紀さんの作品「たまむし展」の2点。大山さん・荻野さんの作品はZAIMギャラリー、玉田さんの作品は中庭(旧ZAIMカフェ)が展示会場となる。

 大山さんは「ポストグラフィティ」を活動のメインコンセプトに掲げ、作品展示のほかクライアントワーク、シンポジウムや執筆なども行っている。荻野さんはアメリカの美大を卒業後、東京を中心に活動を展開。最近では「Out of the Context Mash-Up」という概念をベースに、平面から立体、インスタレーション作品まで幅広く制作・発表を行っている。

 玉田さんはダンボール作品を中心に活動中。今回の「たまむし」は、たま(魂)=生まれつき持っている人間の本能、むし=体内に潜在する意識、感情の動きを意味しているとのこと。

 大山エンリコイサムさんと荻野竜一さんは「2人で1点ずつの作品ではありますが、パネルの大きさを合わせ、コントラストを明確にしてそれぞれ仕上げました」と話す。また、玉田さんは「50箱以上のダンボールを使い、1カ月半をかけて今回の作品を作りました。ひとつずつ手で破り、直線を使わずに曲線で表現したのが特徴です」と話す。

 2月19日18時からZAIM本館1階の交流サロンでオープニングレセプションを開催。2月27日は16時から交流サロンで、大山エンリコイサムさんや荻野竜一さんもパネリストとして参加する「Inside of Contextsシンポジウム」も予定されている。

 展示の開催時間は10時~18時。入場無料。3月7日まで。

 ZAIMは、スクラッチタイルの外壁で、玄関まわりにレリーフ装飾を施した1928年建造の建物。かつては、大蔵省の関東財務局横浜財務事務所や横浜地方裁判所の仮庁舎などとして活用されていた。2003年に横浜市が所有し、2006年7月に「ZAIM」として、アーティストやNPOなどに貸し出しを開始。作品の制作や発表、交流の場として活用されてきたが、2010年3月末で貸出期間を終了し閉館する。建物は、横浜市の歴史的建造物として登録されている。

 同ビルは、建造から82年が経過して老朽化し、耐震性に課題を抱えており、横浜市では、歴史的な価値が高く、日本大通りの景観やにぎわいを形成する重要な要素であるとして、今後、耐震補強を含む改修を実施し、改修後には文化芸術活動拠点や店舗などのにぎわい施設とする計画がある。

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