JICA横浜で女性移民たちが語る「花嫁物語」-無料公開講座も

1964年、移民船「あふりか丸」で横浜港からブラジルへと旅立つ花嫁移民の白石博子さん(写真提供:白石博子さん)

1964年、移民船「あふりか丸」で横浜港からブラジルへと旅立つ花嫁移民の白石博子さん(写真提供:白石博子さん)

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 国際協力機構(JICA)横浜・海外移住資料館(横浜市中区新港2)で10月16日より、海外移住した女性たちを紹介する企画展「海を渡った花嫁物語」が開催される。

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 同企画は、海外移住資料館の学術研究プロジェクトとして2006年から3年にわたり実施された研究成果に基づく展示。家族を支えてきた女性に光を当て、文献資料をもとに女性移民の歴史を掘り起こし、女性移民の目から見た海外の日系社会、移住先国での活動や貢献を紹介する。

 展示は、戦前に写真によるお見合いによってアメリカに移住した「写真花嫁」、戦後に写真と文通によりブラジルに移住した「花嫁移民」、戦後に米軍兵士・軍属と結婚してアメリカ本土に移住した「戦争花嫁」、米軍兵士・軍属の妻としてハワイに移住した「軍人花嫁」の4つのセクションで構成。各セクションに、花嫁たちより提供された昔を偲ばせる貴重な古写真を展示するほか、当時を振り返る花嫁たちのインタビュー映像を流す。

 16日のオープニング式典には、東京で開催される「第50回 海外日系人大会」に出場するために、ブラジル、アメリカ、オーストラリアなどから来日した約30人の花嫁移民たちが同席する予定。

 関連イベントとして、日本女子大学の島田法子教授によるギャラリートーク(16日)、同資料館学術委員による公開講座「海を渡った花嫁たち~日本女性移民史の発掘~」(17日)を実施する。問合せは、海外移住資料館業務室(TEL 045-663-3257)まで。

 同展示会の担当者は「この企画展は日本人女性の『写真花嫁』、そして『戦争花嫁』と呼ばれた花嫁移民を取り上げていますが、彼女たちは決して過去の特別な存在ではありません。広い女性史の視野からこの女性たちが辿った人生を捉え、現在も世界各地で生活する花嫁移住者たちへの理解を得たいと願っています。そして、夢をかけて新天地に挑戦した女性たちのたくましい人生行路から、何かメッセージを感じていただければ」と話す。

 開館は10時~18時(入館は17時30分まで。月曜休館)で入場無料。12月20日まで。

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