横浜美術館で「柳宗理展」-工業デザインのプロセスを見る

柳宗理さんデザインのバタフライ・スツール

柳宗理さんデザインのバタフライ・スツール

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 横浜美術館アートギャラリー(横浜市西区みなとみらい3、TEL 045-221-0300)で、日本を代表する工業デザイナー・柳宗理さんの展示「柳宗理展 手で作り、そして生まれた、くらしの中に息づくデザイン。」が開催されている。

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 同展は、バタフライ・スツールに代表される、柳宗理さんのシンプルな形と機能的なデザインを、食器や建築物に渡るまで広く紹介するもの。製品、試作品、資料などから、手作業で形を起こしていくものづくりのプロセスを公開し、柳さんの思想に迫る。出展アイテム数は約200点。

 柳宗理さんは、民芸運動の指導者の柳宗悦の長男で、ドイツの「バウハウス」や建築家のル・コルビュジェなどに影響を受け、大学卒業後にコルビュジェの協力者シャルロット・ペリアン女史のアシスタントとして全国を回り、戦時中は坂倉準三建築事務所に勤務。戦後は工業デザイナーとして活躍してきた。1957年のミラノ・トリエンナーレに出展した日本の生活にあわせた椅子「バタフライ・スツール」に注目が集まるなど、数々の世界的なデザイン賞を受賞している。1977年に日本民藝館館長に就任している。

 横浜での公共建築に関わる作品では、1973年に開通した横浜市営地下鉄のファニチャー、水飲み場、発券機や改札機のほか、野毛山公園と動物園をつなぐ歩道橋や公園内のサインなどを手掛けており、今回の展示でもパネルやプロトタイプなどを展示している。

 同展の広報担当者は「デザインというとPC上で完結してしまうと思われがちですが、地道に模型を作り、微調整を重ねることの繰り返しで、柳宗理のかたちが生まれます。普遍的なかたちが生まれて行くプロセスをご覧頂ければと思います」と話す。

 8月31日まで、10時~18時(金曜日は20時迄)、木曜休館。一般・大学生=900円、高校・中学生=700円、小学生=500円。

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