横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」のメーン会場の一つのヒルサイドエリア「Y150つながりの森」(横浜市旭区川井宿町141)が7月4日、オープンした。
同会場は4月28日から開幕している横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」の、みなとみらい地区を中心にしたメイン会場「ベイサイドエリア」、横浜駅周辺から山手、山下地区の「マザーポートエリア」のオープンに続くもの。
会場は46,000平方メートル、イベントコンテンツは、186件の市民企画を実施する「市民創発プロジェクト」がメーン。1年以上前から公募で集まったメンバーが「自然、環境、共生」をキーワードに、竹を使ったパビリオンや屋外広場で対話、参加、体験型のイベントを準備してきた。参加市民は延べ4,800人となる。
「つながりの広場」では、インターネット放送局「Y150横浜市民放送局」ブース、横浜市環境創造局の「よこはま環境体験楽習展」、自然が多く残る谷戸を紹介する「谷戸のくらし野外ミュージアム」、バンブーオーケストラ・ジャパンによる竹楽器の演奏とワークショップのイベントや、野外の「木立の広場」の棚田では野菜を育てる作業に立ち会える「ひでじいの畑」などさまざまな市民による企画が展開される。
会場が一望できる「みはらしの広場」には、全長50メートルの巨大バッタ「インセクトワールド・飛蝗(バッタ)」が設置された。バッタはアーティストの椿昇さん(京都造形芸術大学教授)と情報哲学者の室井尚さん(横浜国立大学教授)が2001年の横浜トリエンナーレで展示した作品。「劇団唐ゼミ☆」と市民30人が出演する野外パフォーマンス「バッタが巨大だったころ」の上演も行われている。
会場の建築には環境に配慮した取り組みが多数行われている。日本最大級の竹を使用した施設「竹の海原」は、昨年の秋から冬にかけ総勢約700人の市民により切り出された孟宗竹(モウソウチク)など、市内の竹を使って建設。基礎を含めコンクリートを使用しない「ノン・コンクリート」工法や、竹の日よけや竹スクリーン、酸化チタン光触媒膜テントによる日射量抑制、涼霧システム「セミドライフォグ」による冷却効果、緑のカーテン、自然通風による気温上昇の抑制などによる「ノン・エアコン」方式などの環境配慮技術を採用した。
そのほか、木質バイオマスの地産地消の取り組みとして、階段や園内の舗装材に、市内の街路樹伐採時に出たチップ材を再利用したほか、会期後には、会場で使用した竹を竹入りの紙としてリサイクルする。
横浜開港150周年記念テーマイベント総合プロデューサーの小川巧記さんは「ヒルサイドエリアは対話参加体験のゾーンです。どんどん開催者に質問やコミュニケーションをとって、楽しんでください」、また創発メンバーの一人も「見るだけでなく、イベント開催者に気軽に話しかけてみてください。沢山のココロミから色々な知識やアイデアがもらえるので、1日で全て回れないほどの市民力に出会えます」と話す。
9月27日まで、会期中無休、9時30分~17時30分(最終入場17時)。入場料は大人=600円、高校生=300円、小中学生=200円、シニア=500円。会期は9月27日まで。