
横浜市の都心部で、心の健康をテーマとした市民参加型イベント「YOKOHAMA KOKORO WEEK(ココロウィーク)」が行われている。会期は8月27日まで。
「YOKOHAMA KOKORO WEEK」のオープニングセッション
主催は横浜市立大学COI-NEXT拠点「Minds1020Lab(マインズ テン トゥエンティ ラボ)」で、企画・プロデュースはルムアが担当。神奈川県立精神医療センターの協力を得て、横浜市経済局と教育委員会が後援している。
BUKATSUDO(横浜市西区みなとみらい2)、横浜市役所アトリウム(中区本町6)とマルイシティ横浜(西区高島2)、横浜スタジアム(横浜市中区横浜公園)などで展開。それぞれ異なる角度から「心」をテーマにした体験型プログラムを提供してきた。
BUKATSUDOでは24日から心理学に基づいたワークショップや展示、トークセッションを通じて、来場者が「ほんとうの気持ち」に気づくきっかけを提供。初日には、プロジェクトリーダーである横浜市立大学の宮崎智之教授さんや教育・福祉・医療分野で心のケアに取り組む実践者によるクロストークも行われ、多様な視点から「心と向き合うこと」の意味が語られた。実施は27日まで。
マルイシティ横浜では21日から27日まで「KOKORO STUDIO」を展開。4つの体験型ブースで、セルフケアや価値観の確認を促すワークが用意され、幅広い年齢層が訪れている。人気キャラクター「なんでもいきもの」の世界観も会場全体に取り入れられており、関連グッズの販売も行われた。
横浜市役所アトリウムでは、19日から21日まで「KOKORO LABO」を開催。5つの心理学的アプローチによる体験型展示や、ARフォトブース、ステージ企画が行われた。心理学をベースにした体験設計により、心の動きや自己理解を促す内容となり、多くの来場者を集めた。
また、市内全体を使ったARスタンプラリー「KOKORO TRIP」も27日まで実施され、みなとみらい線沿線6カ所(マルイシティ横浜、みなとみらい駅、馬車道駅、日本大通り駅、マリンタワー、元町ショッピングストリート)を巡るスタンプラリーに多くの参加者が挑戦た。
さらに、横浜スタジアムでは22日から25日まで、ARフォトフレームによる連動企画が実施され、訪れた人々が思い出を形に残せる仕掛けも展開された。
イベントの企画・コーディネートを担当したルムア社長の佐藤唯さんは、「精神学や心の話題は敬遠されがちだが、日常の中で気軽に触れることで、自分の状態に気づくきっかけをつくりたかった」と話す。子どもに向けても「学校以外の場所で、助けてくれる大人や仲間に出会えることを体感してもらいたい」とし、大学生が準備段階から関わったことも今回の特徴の一つとして挙げる。
ココロウィークは今年が初開催。すでに他地域の団体から共催の打診もあるといい、佐藤さんは「横浜発のこの取り組みが全国に広がっていけば」と今後の展開に意欲を見せる。
「Minds1020Lab」は、生きづらさを感じる若者の心の課題を包括的に研究する新たな学術領域で、心理的レジリエンス(心の回復力)の獲得を促すコンテンツ「デジタルメディスン」を提供するインタラクティブプラットフォームの構築を目指して活動している。