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「宮川香山 眞葛ミュージアム」をVRで再現 収蔵作品を自由な角度から鑑賞

3Dで鑑賞できる「崖ニ鷹大花瓶 一対」

3Dで鑑賞できる「崖ニ鷹大花瓶 一対」

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 「宮川香山 眞葛(みやがわこうざん まくず)ミュージアム」(横浜市神奈川区栄町6)が1月26日、施設や展示作品をVRで再現した「宮川香山VRミュージアム」を開設した。

宮川香山 眞葛ミュージアム 「蛙細工戯画花瓶」

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 2010(平成22)年にオープンした同施設は、明治時代に活躍した陶芸家・宮川香山による「眞葛焼」専門の美術館。収蔵する約800点の陶器や磁器の作品から常時、約100点を展示している。

 VRミュージアムは、約150平方メートルの同施設をバーチャル空間上に再現した。「ウオークスルー」では、実際に歩いているかのように作品を鑑賞したり、作品に関する情報を確認したりできる。展示作品から選んだ21点については、各作品をゆっくりと一周する映像を再生する「動画ギャラリー」を設けた。立体的な彫刻や細工を施す「高浮彫り(たかうきぼり)」の技法が用いられた「蛙細工戯画花瓶」「崖ニ鷹大花瓶 一対:1」「崖ニ鷹大花瓶 一対:2」の3作品は、高精細な「フォトグラメトリー」撮影によって完全3Dデータ化。「3Dギャラリー」では、現実の鑑賞ではかなわない作品の裏側や底など、自由な角度で間近に見ることができる。

 1842年に京都・眞葛ヶ原で生まれた宮川香山(初代)は1871(明治4)年、現在の南区庚台に「眞葛窯」を開いた。1876(明治9)年のフィラデルフィア万国博覧会に初出品、時代に合わせて作風を変え、30年以上にわたり国内外で数々の賞に輝いた。1916(大正5)年の死去後、眞葛窯は3代まで引き継がれたが、1945(昭和20)年の横浜大空襲で壊滅的な被害を受け閉鎖した。

 同施設を運営する三陽物産(中区長者町9)社長で館長でもある山本博士さんは「データ化した作品は3Dプリンターで複製を作って、実際に触れることができるようにしたい。AR(拡張現実)のミュージアムなど、文化財の新しい鑑賞方法を実現し、より多くの人に眞葛焼の魅力を知ってもらえたら」と話す。

 開館は土曜・日曜の10時~16時。入場料は、大人=800円、中学生・高校生=500円、小学生以下無料。

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