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隣室の壁を移動し「存在と所有」考える 酒井一吉さん個展「現れの場」

美術家の酒井一吉さん。個展「現れの場」では隣室の壁を一度分解して運びこみ、再度組み立てた。

美術家の酒井一吉さん。個展「現れの場」では隣室の壁を一度分解して運びこみ、再度組み立てた。

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 美術家の酒井一吉さんが、アズマテイプロジェクト(横浜市中区長者町7)で、現在、個展「現れの場」を開催している。

伊勢佐木町センタービルの「アズマテイプロジェクト」

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 同展では、伊勢佐木町センタービルの3階にある一室を会場に、廊下を挟んだ隣室の壁面を取り外して、作品として運びこんだ。

 酒井さんは、壁を別室に移動させた作品を通じて「存在と所有の不確かさ」について考えたかったという。「子どもの頃、道ばたの花を摘んで母にプレゼントしたことがあり、母はそれを大切に押し花にしてくれたけれど、もともと『道の花』は僕のものでも母のものでもない。『所有』という感覚は何によってそれが可能になっているのかを不思議に感じる」と話す。

 隣の部屋の壁面を展示するにあたっては、隣の空室を借り上げ、賃貸契約も交わした。賃貸中は壁を含めた隣室の「所有権」が酒井さんに移っているものとして貸し主から壁の移動を許可され、会期終了後は、壁面を隣の部屋に戻して「原状復帰」する予定。

 「壁が元の位置に戻ったとき、ただの壁になるが、壁を作品として見てくれた経験のある人にとっては、戻された後もこの壁は『僕の作品』。本当にそうなるのかどうか、会期後も『続き』がある。会期とは違う『時間軸』が現れる」とも。

 アズマテイプロジェクトは2018(平成30)年11月に、東亭順さん、烏山秀直さん、石井琢郎さん、南條哲章さんの4人のアーティストが立ち上げた。2020年12月に酒井さんと田中啓一郎さんが新たなメンバーに加わり、現在は6人で美術展の企画・運営を手がけている。今回は23回目の企画展で、これまでに100人を超えるアーティストやクリエイターがアズマテイプロジェクトで展示やパフォーマンスを行っており、今後も継続して活用予定。

 開場は展示期間中の土・日のみ。開場時間は14時~18時まで。入場無料。会期は8月9日まで。

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