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黄金町で渡辺篤さんが写真集出版記念展 引きこもり当事者の部屋の写真集める

渡辺篤さんが「アイムヒア プロジェクト」で引きこもり当事者から募集した自室の写真。乱雑に散らかった部屋もあれば、物がほとんどない部屋もある

渡辺篤さんが「アイムヒア プロジェクト」で引きこもり当事者から募集した自室の写真。乱雑に散らかった部屋もあれば、物がほとんどない部屋もある

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 「高架下スタジオ サイトAギャラリー」(横浜市中区黄金町1)で現在、引きこもり当事者の自室などの写真を集めた「『アイムヒア プロジェクト』写真集出版記念展 "まなざしについて”」が開催されている。

展示会場入り口の石こう板を打ち破るアーティストの渡辺篤さん

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 アーティストの渡辺篤さんは、自らの引きこもり経験を基に、心の傷を持った人たちと協働するプロジェクトを多数行ってきた。今回は、2018年夏から3カ月間、ネットなどを通じて引きこもり当事者自らが撮影した部屋の写真を募集。40人から計160枚ほどの写真が寄せられ、写真集「I’m here project」(B6サイズ、1,000円)にまとめた。

 出版記念展のオープニングでは、会場の入り口を塞ぐ石こう板を金づちで希望者と共に打ち壊すパフォーマンスを披露。崩された扉の残骸をまたいで入ると、内部は水平方向に亀裂が入った石こう板に囲まれており、そこから奥に展示された60点の白黒写真をのぞくことができる。

 会場の別室では、「社会的生産性の高い人を表しているように感じて傷つくことが多かった」という青空の写真を和室の天井ライトにはめ込んだ作品や、コンクリートで作った空間で7日間生活し金づちで壊して脱出するというパフォーマンスを収めた映像なども展示する。

 渡辺さんは「ネガティブな認識をされる引きこもりも、その後の人生に必要な密閉期間かもしれないし、社会的生活を送りながらも精神的自閉性を持った人もいるかもしれない。そういったことを想像してもらえれば」と話した。

 会期は2月24日まで。開館時間は11時~19時。入場無料。2月23日18時からは、ダンサー・振付家のアオキ裕キさんを招いたゲストトーク(入場料1,000円)を実施する。

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