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三溪記念館で財団設立60周年記念特別展「今村紫紅展ー横浜のいろ」

今村紫紅筆「護花鈴」(部分) 霊友会妙一記念館所蔵

今村紫紅筆「護花鈴」(部分) 霊友会妙一記念館所蔵

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 三溪園内の三溪記念館(横浜市中区本牧三之谷58)で、財団設立60周年記念特別展「今村紫紅展ー横浜のいろ」が開催されている。

 三溪園の創設者・原三溪は、製糸業・生糸貿易業で財を成した実業家であるとともに、多くの新進芸術家を支援した「芸術のパトロン」としても知られている。同展では、財団(三溪園保勝会)設立60周年を記念し、三溪が支援した日本画家の一人・今村紫紅(いまむらしこう)を取り上げ、三溪が所蔵していた作品を含む、初期から晩年までの紫紅の作品約50点を紹介する。主催は三溪園保勝会。

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 今村紫紅(1880年~1916年)は、横浜に生まれ育った画家で、大正初めにそれまでの日本画の世界に新風を吹き込んだ若手画家のグループ「赤曜会」を結成し、その中心人物として活躍した。歴史画や文人画という日本の伝統的な画題やジャンルの絵を描きながらも、各作品には色彩や構図に新鮮な感覚がみなぎり、現代にも通じる作品を残している。再興院展でも明るい色彩と斬新な描写で日本画壇に賃否両論を巻き起こしながら、30代の若さで他界した。

 展示は、「歴史画に色づく」「三溪との出会いと院展の仲間」「色へのめざめ - 文展・院展・赤曜会とその頃」の3部構成。作品は、《秋風五丈原》(1907年、豊田市美術館)、《説法》(1910年、東京国立博物館)、《護花鈴》(1911年、霊友会妙一記念館)、《黄石公・張良》(1911年、横須賀美術館)、《宇津の山路》(1912年、静岡県立美術館)、《枇杷ニ鷽》(1913年、横浜美術館)、《蓬莱郷》(1915年、川越市立美術館)など。会期中、一部展示替えあり。

 紫紅の作品の特徴は、新しい感覚を添えた色彩美にあり、1911年に文展(第五回文部省美術展覧)に出品した《護花鈴》は、古画を翻案しつつ柔らかで美しい色彩でまとめられている。この作品に注目し、三溪は紫紅の支援を決めたという。

 11月16日には、園内の横浜市指定有形文化財「鶴翔閣(かくしょうかく)」で美術史家で元青梅市立美術館副館長の松平修文さんを講師に迎えた特別講演会「今村紫紅の画業」を実施する。

 三溪園 広報担当の吉川利一さんは「どこか硬いイメージをもつ日本画だが、常に新しい感覚をもって描くことを追求した今村紫紅の作品には、現代の私たちの目にもその意気込みが伝わる若々しいものばかり。横浜の風光を感じさせてくれる明るい色使いの数々を、秋色薫る庭園とともにお楽しみいただければ」と話している。

 会場は三溪記念館(第1・2・3展示室)。開園時間は9時~17時(入園は16時30分まで)。観覧料金は、入園料とのセット券=一般(中学生以上)800円、小学生は無料(入園料のみ必要)。入園料は大人500円、市外65歳以上500円、小学生200円。12月8日まで。

 園内では11月24日まで、約500点の菊花を展示する「菊花展」も開催している(小菊盆栽は11月23日まで)。

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