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横浜で画家・安藤ニキさんの個展「ニキの世界・プルガダイス」

画家・安藤ニキさん。最新作「転輪の荒野をゆく」の前で

画家・安藤ニキさん。最新作「転輪の荒野をゆく」の前で

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 日本大通の画廊「ギャルリーパリ」(横浜市中区日本大通14)で1月27日より、アーティスト・安藤ニキさんの個展「ニキの世界・プルガダイス」が開催されている。

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 安藤ニキさんは、横浜生まれ・小田原市在住。アスペルガー症候群と共感覚をもつアーティスト。同展では、ニキさんの心の中にある空想世界「プルガダイス」を表現した絵画作品約60点を紹介する。横浜での個展は初めて。

 会期中は、油彩を中心に、水彩やコラージュまで、キリスト教的世界観を感じさせる現代的で神秘的な作品を展示。コラージュ作品は、東日本大震災直後から半年間に集中的に制作したもので、会場ではニキさんのもうひとつの特質「共感覚」を記した作品も初公開している。

 ニキさんは「アスペルガー症候群の私は、頭の中に特異な幻想世界を持っていて、障害がもたらす心の現象そのものを作品にします。小さい頃から世の中の良い面、悪い面の両方を見てきた私は、ある時、頭の中で起こっている出来事が『こちらの世界』の反映であることに気付いた。戦い、宗教、生きることへの悲しみや苦しみ、そして、救済への希求。ニキの世界で、『どこかで出会った』というイメージがきっと見つかると思います」と話す。

 作品は、最新作「転輪の荒野をゆく」をはじめ、奉納画として描いた「地下墓地を抜けた少女」、「黒天使ふたり」「月の夜、都に死す」「不在者の帰還」(油彩)。「共感覚(ゴーレム)」「共感覚(ペニーレイン)」(水彩)。「血の池に沈んだ男の夢」「岸壁に歌う天使」「恋人たちのハート」(コラージュ)など。創作家具職人の父、安藤和夫さんとの合作「厨子」も展示する。

 オープニングには、日本で初の油絵具を手掛けた1917年創業「春蔵絵具」(埼玉県)の長谷川孝史さんもお祝いに駆けつけ、喜びを語った。「2010年に横浜で開催されたアートフェスタで、初めて彼女の作品『不在者の帰還』と出会い、何かを感じた。ニキさんとはそれ以来のお付き合いだが、その間にも彼女自身に変化が見られ、それが作品にも大きく現れている。作品に子どもや天使のモチーフが生まれ、新たな色が加わった。これからも才能ある若き画家を応援したい」。

 ニキさんは「展示を始めた当初は不安でたまらなかったが、作品を見て自分をいいと言って下さる方々に出会い、そういう人の心に触れることで、私の世界にも変化が生まれてきた。ここ2年で、ようやく自分の思い通りに表現できるようになったと思う。春蔵絵具の長谷川孝史さんとの出会いも大きく、初めて春蔵絵具を使った時、この絵具なら自分の世界を表現できると感じた。私が表現するのは告発ではなく探求のためであり、説教ではなく浄化のため。生まれ故郷の横浜で、デビュー以来たどってきた道を見ていただけたら」と話す。

 開催時間は11時~18時。日曜休館。2月4日まで。

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