ライブハウス「横濱エアジン」(横浜市中区住吉町5)で3月11日、「『3.11 あの時を忘れないー震災から15年目の春』」が開催された。
福島県出身のフルート奏者の北沢直子さんが、宮城県仙台市出身で「二十五絃箏」を奏でる佐藤康子さんと共に演奏し、ゲストに「人形遣い」の黒谷都さんを迎えた。
10歳まで福島市内で過ごした北沢さんは、東日本大震災の際、「地元の友人の安否が分かるまで心配だった」と振り返る。「福島は自然がとても美しいところ。原発もまだあるので、まだ影を落としていたり、避難している人がいたりする」と話し、福島の美しい夕日をテーマにした自作曲も披露した。
佐藤さんは仙台市出身で、両親の住む実家の向かいの家は震災で真っ二つになり、実家も震災で建て直したという。2011年3月11日には「両親からたった6文字『来なくてよし』という題名のメールが届いた」という。「海沿いではなかったので、3週間後に仙台に帰ったときは、周囲の人たちは明るかった。テレビが映ってないから、逆に被害の全貌が分からず、テレビでニュースが見れるようになってから、改めて辛くなった」と当時のことを話す。
震災後、石巻市などを、演奏で巡る中、黒谷さんと知り合ったのは、東京都立川市での震災後10年のイベント。「10年目の春」という演目を作り、それからユニットでも活動するようになった。
当日3人で披露した演目のタイトルは 「顔のモノ語り 生きてる」。黒谷さんが操る「顔」の仮面は「『役目を終えた顔』という設定で「輪廻転生の最後が終わって浄化される顔を拾い集めて、最後に弔う。顔はひとつの人生だけでなくさまざまな人生を送ってきて、箏を弾くのが好きな少女の未来だったり、最後にこれだけは語りたいということを話す」と黒谷さん。
演奏後、北沢さんは「この日を特別な日として忘れずにいたい」と結んだ。
会場のオンラインショップ「Yokohamaエアジン商店」では、同公演の配信を4週間行う。配信は2,000円。
北沢さんと黒谷さんは4月末から5月末まで同会場で実施される「横濱国際なんでも音楽祭」にも出演予定。公演は4月26日14時~。入場料=4,000円。