
ジャズ喫茶ちぐさ・吉田衛記念館(横浜市中区野毛町)は10月15日、2023年度の第10回ちぐさ賞グランプリ受賞者である市川莉子さんの記念アルバム「Rico, I’m here」を全国発売する。
ちぐさ賞は、若手ジャズミュージシャンの発掘を目的として2013年に創設されたコンペティション。市川さんは当時高校2年生で、鎌倉市出身のボーカリストとして初出場し、堂々たる歌唱でグランプリに輝いた。
審査委員長の小針俊郎さんは「持てる声を精一杯活かして、高校生と思えぬ堂々たるステージを見せてくれた。歌の基礎ができているので、これからジャズをしっかり学んでいけば、素晴らしい歌手に成長するだろう」と評し、その将来性に太鼓判を押した。
「Rico, I’m here」は、ジャズのほか、ポップス、R&B、ロックの名曲を新たなジャズアレンジで構成した全9曲入り。タイトルには「今の私でしか歌えない歌声を聴いてほしい」という市川さんの思いが込められている。音大受験のため制作が一時中断されていたが、このたび約1年半を経て完成に至った。
演奏には鈴木瑶子さん(ピアノ)、小美濃悠太さん(ベース)、北沢大樹さん(ドラムス)が参加し、ゲストに市原ひかりさん(トランペット)を迎えた。収録曲は「Caravan」「Just the Two of Us」「What a Wonderful World」「Feeling Good」など。市川さんの歌声を中心に据え、メロディとアレンジの融合が聴きどころとなっている。
アルバムは10月1日から「ミュージッククロニクルYOKOHAMA」(中区常磐町2)で先行発売。15日からは全国のCD取扱店やオンラインショップで販売される。オンラインでの音源配信も同時に始まる。アナログレコード(3,800円)は初回200枚限定のシリアルナンバー付きで、CD(2,500円)と併せて販売される。
アルバム発売に合わせて、10月8日には記念ライブも開催される。会場は横浜の老舗ジャズクラブBarBarBar(中区尾上町1)。演奏はアルバムと同じ編成で、市川さんの生歌を間近に聴くことができる。