
関内桜通りのコミュニティスペース「泰生ポーチフロント」(横浜市中区相生町2-52)で8月10日、開発教育・国際理解教育を進める市民団体「かながわ開発教育センター(K-DEC)」が交流イベント「K-DECカフェ」を開催した。出入り自由のカフェ形式で、難民や多文化をテーマに学び合った。
「ルワンダの虐殺、私が見たもの」と題したトークでは、ガテラ・エマニュエル・ルダシングワさんとルダシングワ真美さん(ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト)が、自らの歩みと紛争や迫害について語った。1994年、大統領暗殺を契機に始まった大虐殺は約3カ月続き、80万~100万人が犠牲になったとされる。内戦と暴力の爪痕として手足の切断を余儀なくされた人も多く、2人はその現実に向き合い、1997年から義足・義手の無償提供を継続してきた。
「ウクライナから日本に来て」では、カテリーナさんとリリアさん(横浜YMCAのユース)が、来日の経緯と日本での学び、暮らしの実感を共有した。在留手続きや言語の壁、住まい・学校での戸惑いなど日常の困難を具体例で示し、同世代の仲間や地域ボランティアの支えが安心につながることを伝えた。迫害を受けてしまった人の生の声が会場に響いた。
あわせて、東海大学の学生によるミニ講座「紛争避難者、迫害対象者《難民》の現実」が行われ、国際条約や用語の整理、日本の受け入れ制度の基礎が共有された。続く「アルペなんみんセンター訪問記」では、在住外国人支援の現場で見た相談対応や地域連携の実際を紹介し、学校・地域・支援団体が結び付くことで日常の課題が解けていくプロセスを示した。
終盤は登壇者と参加者が輪になり、学びの要点を振り返りつつ次の一歩を探った。支援窓口情報の共有、学びの場の継続、若い世代の参画など、地域で実行できる行動が挙がった。