
「KAAT 神奈川芸術劇場」(横浜市中区山下町)で7月21日から、子どもと大人が共に楽しめる舞台作品「わたしたちをつなぐたび」と「鏡の中の鏡」が上演される。
「SPAC-静岡県舞台芸術センター」との連携企画で、共通のテーマは「宝探し」。それぞれがキッズ作品を創作し、両劇場で上演する。
KAATの作品はイリーナ・ブリヌル作の絵本「わたしたちをつなぐたび」の舞台化で、少女が自分がどこからきたのか知るため母のもとを離れて、森の動物たちと旅をして、少年と出合う物語。劇団「うさぎストライプ」主宰の大池容子さんが台本と演出を担当し、音楽は小林顕作さんが担当する。大池さんは「一見かわいらしい、ファンタジーの世界の中で、今を生きる私たちの『さまざまな家族の姿』が温かくも現実的なまなざしで描かれている。舞台化するにあたり、そのバランスを保ちながら『旅』という要素にスポットを当てて作品を立ち上げたい」とコメントし「初めて演劇を見る子どもたちはもちろん、大人たちも楽しめる作品になるよう創作に臨みたい」とも。
SPACの作品「鏡の中の鏡」はミヒャエル・エンデの文学作品「鏡のなかの鏡-迷宮-」が原作で、迷宮に取り残された少年や、言葉を探す旅人たち、芝居がはじまるのをずっと待っている役者たちなど「へんてこな人たちの、へんてこな話」だという。構成・演出は俳優で演出家の寺内亜矢子さん。寺内さんは「知への欲望に応えてくれるところはたくさんあるが、わからないことをわからないまま楽しむ力を育ててくれるところは多くない。だから、いつの間にか、わからないことを楽しむことをあきらめてしまうのかもしれませんが、劇場はその力を伸ばし育んでくれる場所だと信じている」とコメントし「わからないことをわかるようになりたいという欲望とわからないことをわからないまま楽しむ力を両翼にたずさえて、こどもたちと一緒に宝探しの旅に出る」とも。
上演日は「わたしたちをつなぐたび」=7月21日~27日(22日と25日は休演)、「鏡の中の鏡」=7月26日・27日。チケットは入場順整理番号つき自由席で。おとな=3,500円、神奈川県民割引=3,000円、こども(4歳~高校生)=1,000 円 、こどもとおとなペア=3,500円、こどもとおとなペア(2作品セット)=6,400円。26日・27日はKAATアトリウムでマルシェを同時開催する。