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横浜市立南高卒の西田さん、科学研究の国際大会で部門優秀賞受賞

受賞メダルを手にする西田優美奈さん(写真提供=NPO法人日本サイエンスサービス)

受賞メダルを手にする西田優美奈さん(写真提供=NPO法人日本サイエンスサービス)

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 学生のための科学研究の国際大会「リジェネロン国際学生科学技術フェア2025」で、横浜市立南高等学校(横浜市港南区東永谷2)を今年3月に卒業した西田優美奈さんが、環境工学部門の優秀賞3等を受賞した。

「リジェネロン国際学生科学技術フェア2025」日本代表の出場者たち

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 世界約400カ所で開催される提携コンテストで選ばれた生徒・学生が毎年5月、アメリカで一堂に集う同大会。75回目を迎えた今回は5月10日~16日、オハイオ州コロンバスで開催され、63の国と地域から1657人が参加した。

 西田さんの研究タイトルは「糸状藻類(アオミドロ/サヤミドロ)を用いたバイオ燃料及び土壌改良材の実用化に向けた基礎研究」。藻類を用いたバイオ燃料の製造コストを下げることを目的とし、糸状藻類の培養に適した条件の調査や大量培養の実験、燃料抽出後の残渣(ざんさ)の成分分析などを行った。

 5年前に藻類に興味を持った西田さんは、他生物による汚染に強く日光と水だけで培養可能な糸状藻類に着目。これまでの微細藻類由来のバイオ燃料よりも製造コストを下げられないかと培養・実験を始めた。その結果によると、適切な環境下であれば糸状藻類は1年間で85倍に増殖させることができる試算になるという。

 燃料となるオイルを抽出した後の残渣には、植物に必要な栄養素である窒素、リン、カリウムが豊富に含まれていることも成分分析で確認。土壌改良材として活用することで製造コストを補い、「ビジネスが成立しうる試算」だという。

 今大会では日本から17研究25人が参加。西田さんの参加は、同校在学中に決まった。西田さんの他に筑波大学附属駒場高等学校卒の田中喜大さんが物理学・天文学部門で優秀賞4等を受賞している。22の各部門での1等受賞者の中から選ばれる全体トップの賞「ジョージ・ヤンコポーロス賞」にはスロバキアから出場したAdam Kovalcikさんが選ばれた。

 日本代表は提携コンテストである「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」と「日本学生科学賞」の受賞研究の中から選ばれた。西田さんの研究は横浜市立南高在学中にJSEC2024で協賛社賞である「日本ガイシ賞」を受賞している。今回の国際大会での優秀な成績を受け、文部科学大臣表彰の受賞も決定した。

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