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「ノー ・ウォー横浜展」に人類とAIの共存をテーマに進化する作品 県民ホールギャラリー

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 神奈川県民ホールギャラリー(横浜市中区山下町3)で、開催中の「ノー ・ウォー横浜展」に、AIと美術家の共同制作による作品が公開されている。

武楽座の創始者の源光士郎さんが演武を披露

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 画家で映画「歳三の刀」映画監督の増山麗奈さんと、武道×伝統芸能のサムライアートに取り組む武楽座代表の源光士郎さんによるアートコレクティブ「波羅蜜多(パラミタ)」が、「パラレラーズシリーズ」5作品を展示している。

 うち2つは、画像生成AI「ミッドジャーニー」が合成した画像をコラージュし、ダンテの「神曲」の「地獄の門」と、弁才天の姿をモチーフに大型キャンバスに描いた作品。ウイルスや戦争、環境破壊、食糧難などに直面する人類とAIの共存の未来と文化の可能性がテーマだ。

 18日には、ライブペインティングと源光士郎さんによる演武、波羅蜜多のアドバイザーを務める人工知能の専門家で東京大学特任教授の山川宏さんを交えて「AIとの共存芸術」「生命革命」をキーワードにトークが行われた。

 山川さんは、「技術の発展は止まらず、世界は狭くなる。人類が生き残るためには、戦いが起こる要因を減らすことが大切。狭い世界で自己複製を超えて平和・共存を実現するには、人類が発展する『生命革命』が必要で、そのためには芸術の力が必要だと感じた」と話した。

 源さんは「電脳空間の画像を大型キャンバスに額装し、生身の人間が絵の具というマテリアルでのライブペインティングによって現実世界に物質化する。AIがつくる情報空間の画像の世界から、現実世界に、能のシテのように『到来』して物質化した演武などの一連をアート表現とする試みはこれまでに例がない」とコメントした。

 増山さんは「言語や宗教、価値観が違う国の人同士も芸術を通じた交流・対話は続けられると確信している。そこに人工知能の力を加えることで、世界平和を実現できるのではないかと期待している。AI技術は芸術など平和のためにこそ活用してほしい」と話した。

 今後、19日、20日の15時から増山麗奈さんがライブペイントを行う。波羅蜜多は、今後、山川教授らと「生命革命」を可視化するために書籍の出版も計画している。また、8月23日から29日に鎌倉美術(横浜市山下町)で展覧会を開催する。

 ノー ・ウォー横浜展の開催時間は9時~18時(最終日16時まで)。会期は8月21日まで。入場無料。

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