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関内駅前の「横浜市庁舎」が閉庁 61年間の思いこめて馬車道へ

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 関内駅前の7代目横浜市庁舎(横浜市中区港町1)が5月22日、17時30分に閉庁した。同庁舎(以下旧市庁舎)は、横浜開港100年記念事業のひとつとして、1959(昭和34)年に完成、60年以上にわたり市政を支えてきた。

閉庁まであと5分 彫刻家の辻晋堂さんのレリーフ「海・波・船」と時計

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 建物の設計は、建築家の故・村野藤吾さん。行政棟と市会棟と、両棟をつなぐ市民広間からなる。横浜公園側がメイン入り口で、開庁当時には市電が通っていた。エントランスホールである市民広間は、大階段がある市民に開かれた吹き抜けの空間で、過去には大階段を下りてきた市長が自ら市民の質問に答えることもあったという。

 最終日は金曜日で、17時10分に「本日は定時退庁日です」と早い退庁を促す放送がいつものように流れ、17時15分には「遠き山に日が落ちて」の曲が放送でホールに響いた。

 17時30分から、閉庁セレモニーがとり行われた。大階段の下で、総務局長の池戸淳子さんが挨拶。

 「この庁舎は7代目で、1959年9月に竣工以来60年、市民のみなさまに愛され、そして私たち市役所の職員も大変お世話になりました。本当に、思いのたくさんこもった建物です」。一呼吸し、階段を感慨深そうに見上げて「月曜日からは、私どもも新庁舎の方に参りますが、市役所の役目を新市庁舎に引き継ぎたいと思っています」と述べた。

 続いて守衛が、最後の施錠完了の報告を行った。出入り口は4か所。「市会棟出入り口、施錠完了しました」「了解」と守衛から管理者への報告が続いた後、管理者が局長に施錠の完了を報告し、局長は「ご苦労様でした」と労をねぎらった。

 最後に、正面出口の自動扉を池戸さんが施錠。深々と頭を下げると、数十人のマスク着用の関係者から拍手がおこった。

 横浜市役所は、老朽化が進行したことや業務拡大のため建物が手狭になったことなどから、移転が検討された。2012(平成24)年から2013(平成25)年にかけ、北仲通南地区への「全面移転案」と、旧庁舎に機能の一部を残し部分移転する「分庁舎案」などを検討した結果、全面移転することが決まった。

 8代目となる新市庁舎(本町6)は4月13日から一部の業務を開始している。国際局(関内新井ビル)や、港湾局(産業貿易センタービル)など、関内周辺を中心に所在する16のビルに分散されている各部署の移動は今後行われる。新市役所の全面供用は6月29日を予定。

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