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「黄金町バザール」が8月開幕 アートと地域コミュニティの接点見出す

黄金町バザールディレクターの山野真吾さん(左から2番目)とゲストキュレーターの窪田研二さん(同4番目)、参加アーティストら

黄金町バザールディレクターの山野真吾さん(左から2番目)とゲストキュレーターの窪田研二さん(同4番目)、参加アーティストら

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 黄金町エリア一帯で8月4日から、アートフェスティバル「黄金町バザール 2017-Double Facade 他社と出会うための複数の方法」が開催される。

《Labyrinth Ball 2016》パフォーマンス風景

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 黄金町バザールは、京浜急行「日ノ出町駅」から「黄金町駅」間の初音町、黄金町、日ノ出町エリアで2008年にスタート。地域のまちづくりに取り組む「黄金町エリアマネジメントセンター」(中区日ノ出町2)と「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」が、高架下のスタジオや周辺の違法風俗店などを改装したアトリエ、既存店舗、屋外などを会場に、アートで街の再生を図るイベントとして共同で開催する。

 10回目を迎える今回のテーマは「Double Facade 他社と出会うための複数の方法」。「アートの側からコミュニティへ、あるいはコミュニティの側からアートへとそれぞれが別の入り口からアプローチしたとき、両者は接点を見いだすことができるのか」という意味を込めたという。

 今回はゲスト・キュレーターに、上野の森美術館や水戸芸術館現代美術センター学芸員を経て2006年からインディペンデント・キュレーターとして活動する窪田研二さんを迎える。客観的な視点から黄金町の課題を捉えるとともに、より広範な現代社会の課題に対面し、介入しようとする現在のアートシーンの一面を伝えることを試みる。

 参加作家は、松蔭浩之さん(現代美術家・写真家)、高山明さん/Port B(演劇ユニット)、キャンディー・バードさん(グラフィティ・アーティスト)、西井夕紀子さん(作曲家)、地主麻衣子さん(映像作家)、チン↑ポムら計23組。松蔭さんは、地元住民を招いた「お金のかからないオークション」を8月4日に開催する。落札された作品は会期中に落札者の自宅や商店に飾られ、その記録を「バザールコレクターズ・オークション」として展示する。

 同展覧会ディレクターの山野真吾さんは「今年は記念すべき10回目であり、『横浜トリエンナーレ2017』と重なる約3カ月間の会期で開催する。この展覧会を通して、観客の皆さんとともに、アートと地域コミュニティの異質性と共通性を理解し、お互いが歩み寄り共存できるのかを考えていきたい」と話す。

 窪田さんは「世界ではますます保護主義、排他主義の傾向が強まり、多様性や寛容性が顕著に失われつつある。黄金町もまた、違法風俗店との共存と排除の歴史を持つ町として知られているが、そのような過去を体験した黄金町だからこそ、未来へのポジティブなビジョンをこのバザールを通して発信していければ」と話す。

 会期は[vol.1]=8月4日~9月13日、[vol.2]=9月15日~11月13日。休場日は第2・4木曜。開場時間は11時~18時30分(10月27日~10月29日、11月2日~11月4日は20時30分まで)。会期中有効のパスポートは700円(中学生以下無料)、ヨコハマトリエンナーレとの連携セット券もあり。参加アーティストなどや各種プログラムの詳細はホームページから。

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