特集

プロバスケ「横浜エクセレンス」入団1年目 横浜出身18歳・クーリバリ選手 独占インタビュー

  • 6

  •  

 横浜南区で生まれ育った若き才能が、いまプロバスケットボールの舞台で存在感を放っている。B2リーグの「横浜エクセレンス」に所属するクーリバリ セリンムルタラ選手、愛称は「タラちゃん」。 ほとんどの選手が大学卒業後にキャリアをスタートさせるBリーグにおいて、10代でプロ入りするケースは多くはないが、18歳でプロ契約を果たした。横浜エクセレンスでも最年少の選手だ。

クーリバリ セリンムルタラ選手。身長188cm。背番号は18番

 クーリバリ選手に、現在に至るまでの道のりや将来の目標を聞いた。

観客の胸を熱くするアグレッシブなプレースタイル

 セネガル人の父と日本人の母をもつクーリバリ選手は、2007年3月4日生まれの18歳。永田台小学校(横浜市南区永田みなみ台6)・六ツ川中学校(横浜市南区六ツ川3)出身。小学2年生の時にミニバスチーム「永田台ビーバーズ」でバスケを始め、ユースチーム「千葉ジェッツふなばしU18」を経て、2025年6月に横浜エクセレンスへの加入を発表した。

 プロデビュー戦となった2025年10月4日のシーズン開幕初戦では、早くもスターティングメンバーに選出され、11得点をあげる強心臓ぶりを見せつけた。その後も全試合に出場を続け(2025年12月26日時点)、どんな相手にもひるむことなく立ち向かう力強いプレーで観客を魅了している。

 横浜エクセレンスの石田剛規ゼネラルマネージャーはクーリバリ選手について「(プレーに)荒削りな点はあるが、それも含めて見ていてワクワクする選手。1秒1秒成長をしているような姿は見ていてうれしい」と話す。

ルーキーらしい体当たりのプレーが持ち味

負けず嫌いな性格。ライバルがいたから成長できた

---横浜で思い入れのある場所はありますか?

 みなとみらいのコスモワールドです。家族で休日によく遊びに行きました。遊園地の近くでご飯を食べて、腹ごなしに歩いて帰ったりもしましたね。徒歩だと家まで1時間くらいかかるんですけど、家族みんな体を動かすのが好きなので。

---バスケを始めたきっかけは?

 兄がバスケをやっていた影響で、僕も小2でミニバスチームに入りました。バスケは勝ったら本当にうれしいし、負けたらすごく悔しい。(バスケをしていなければ)味わえない感覚があるんだと知り、勝負の世界にハマりました。

インタビューに答えるクーリバリ選手

---小6の時にプロをめざし始めたと聞きました

 あまり深く考えていたわけではないのですが、小6で県選抜などに選ばれるようになり、そこでプロの試合を見て「プロになりたい」と思いました。小学校の卒業アルバムには「NBAに入りたい」「プロバスケットボール選手になりたい」と書いてあります。

 中学に上がったらバスケ部に僕より上手な子がいて、はじめは試合に出られませんでした。でも、その子がいたからこそ成長できたんですよ。僕、負けず嫌いなんです。「一番になりたい」と思って一生懸命練習して、中3になる頃にはチームの中核を担うようになりました。

 バスケの腕を磨いてこれたのはライバルの存在があったから。千葉ジェッツふなばしU18でもそうでした。本当に環境に恵まれたと思います。

横浜エクセレンスの練習場で。左にいるのはコート上で幅広い役割をこなす上良潤起選手

一度はバスケを諦めたことも

---15歳で千葉ジェッツふなばしU18に入団するまでの経緯を教えてください

 高校はバスケの強豪校に進んだのですが、練習中にヒザを痛め、バスケができない状況になってしまいました。この時は本当にキツかったです。バスケをするために入学した学校に、バスケができないのに片道2時間半かけて通うのがどうしてもつらくて、親と相談して高1の秋に退学しました。

 高校を辞めてからは何もすることがなく、ずっと家にこもるような生活。バスケも、上をめざせないならやる意味がないと思い、完全にやめました。なのにYouTubeで高校バスケの試合ばかり見ている自分がいて……。見かねた母が「もう1回バスケやってみな。私が支えるから」と背中を押してくれたんです。

 知り合いの紹介で千葉ジェッツのユースチームの関係者とコンタクトがとれて、練習を見に行かせてもらいました。そこで「やっぱりバスケをやりたい」と感じて入団を決めました。

千葉ジェッツふなばしU18に加入が決まり、一人暮らしを始めたという

---その頃、ヒザの靱帯断裂が判明したそうですね

 入団時のチェックで、足が遅くなっているし、ジャンプも高さが出なくて、「何かおかしい」と病院で調べたら、ヒザの前十字靱帯の断裂だとわかりました。日常生活では痛みもなく気付かなかったのですが、実際は高校の練習で断裂していたんです。そこから1年間はリハビリでした。復帰に向けて準備を始めたのが2023年の夏です。

---復帰後は主力としてチームを牽引し、大会ベスト5に選出されるなど、めざましい活躍を見せました。千葉ジェッツユース時代にもライバルがいたと言っていましたが、どなたですか?

 関谷間(せきや あいま)という選手で、「スラムダンク奨学金」の奨学生に選出され今はアメリカにいます。関谷選手は、僕がリハビリから復帰した頃にチームに加わりました。体つきもポジションも僕と似ていて、ディフェンスもうまかった。コート外ではどんどん仲良くなったんですが、絶対に負けたくないから練習ではバチバチ(の対抗心)で。だから練習を頑張れたというのはあります。

気迫のこもったプレーが会場を沸かせる

体が大きい選手が相手でも怖くない。押されたら押し返す!

---その後、千葉ジェッツユース初のプロ契約選手として、横浜エクセレンスに加入することになります。加入の決め手は?

 やっぱり地元・横浜のチームだから。他のチームからも声をかけていただいたのですが、プロとしてのキャリアを地元でスタートさせたいという思いが強かったです。

 河合竜児ヘッドコーチが掲げる「走るバスケ」は僕が得意とする部分なのでアジャストできるだろうと思いましたし、練習を見学した時もいい雰囲気だなと感じて。

---どのような雰囲気でしたか?

 TB(トレイ・ボイドIII選手)がやさしくしてくれた……のかはわからないんですが、ずっとこっちに向かってウインクしてくるんです(笑)。楽しそうなチームだなと。

 で、練習はハードだけど、練習が終わったらフラットにコミュニケーションがとれる。そういう印象を受けました

 

左がトレイ・ボイド?選手。1試合に44得点を記録したポイントゲッターで、明るいキャラクターで知られる

---プロデビュー戦でいきなりスターティングメンバーに選出されましたが、その時の気持ちは?

 「やるぞ!」ですね。ここで成果を出さなかったら、次のチャンスはないかもしれない。きっと僕のことを「プロ入りしてもベンチをあたためているだろう」と想像していた人が多かったと思うんです。そうじゃないことをプレーで証明できたのはうれしかったです。

クーリバリ選手がプロデビューを飾った対福島戦(Game1)のハイライト動画。この日は惜しくも敗れたが、翌日のGame2で勝利をつかんだ

---試合でユースとプロの違いを感じますか?

 ユースの時は無理やりにでも自分が行きたい方向に持っていけたのですが、プロの試合では自分より体が大きかったり、足が速かったりする選手がいて、力ずくは通用しません。相手の動きや状況を読んで、頭を使って動かなきゃいけない

 ただ、相手がどれだけ大きくても怖くありません。押されたら押し返す。負けたくないですから。学生バスケではなかなか経験できないような勝負を、18歳のうちから任せてもらえることに感謝しています。

自身より体格のいい外国籍選手とのマッチアップも多い

チーム最年少の末っ子ポジション

---クーリバリ選手から見て、横浜エクセレンスはどのようなチームですか

 先輩たちがやさしくて、みんな仲がいいです。僕はチーム最年少なのでイジられまくってます。普段、地元の友だちといる時は僕がイジる側なんですけど。……ちょっとイオさん(永野威旺選手)、やめてください(笑)。さっきからみんなが僕をからかって(インタビューを受けている最中に)目配せしてくるんですよ。

---チーム内で特に仲がいい選手はいますか?

 やさしい人ばかりなので、誰が一番ということはないです。しいて言うならザックさん(ザック遼モーア選手)かな。チームに加入したばかりの頃、シュートに悩んで一人で練習していたら、ザックさんが「このルーティンをやったほうがいいよ」とマンツーマンで教えてくれたんです。ザックさんはスリーポイントもドライブもディフェンスもうまくて、しかも性格が良い完璧な人です!

右がザック遼モーア選手。英語と日本語のバイリンガルで、クーリバリ選手に英語を教えてくれるそう

---プロ入りしてから自分が成長したところは?

 ディフェンス力や判断力が向上したと思いますし、フィジカル面では体重を8キロ増やしました。(開幕前に計測した)公式では84キロとなっていますが、シーズン中に体重を増やして現在は90キロを超えています。100キロはいきたいですね。

---今後の目標を教えてください

 チームとしては、もちろんB2リーグ優勝!大きな壁ですが、みんなで力を合わせて乗り越えたいです。僕個人としては、ケガをせずに今シーズン全60試合に出場することが目標です。

 将来は千葉ジェッツの原修太選手のように、フィジカルが強く、コートのどこでも能力を発揮して、ドライブもシュートも上手な“仕事ができる”プレーヤーになりたいです。

 まだまだ僕のことを知らない人が多いと思いますが、いつかは横浜を代表する選手になりたいと思っているので、応援よろしくお願いします!

練習中の一枚。左に立つのはオールラウンダーとしてチームを支えるエライジャ・ウィリアムス選手

●編集後記●初心者でも楽しめる横浜エクセレンスの試合観戦

 横浜エクセレンスが参戦中のB2リーグ 2025-26レギュラーシーズンは2026年4月下旬まで続く。その後5月には、上位チームによるトーナメント形式のプレーオフが行われる。

 横浜武道館(横浜市中区翁町2)を会場とするホームゲームでは、観客参加型のペンライトショーやチアリーダーズによるダンスパフォーマンスが披露されるほか、試合中は大型ビジョンにルール説明が表示されるなど、バスケに詳しくなくても観戦を楽しめる工夫が満載だ。

観客が持つペンライトの光がアリーナを包むペンライトショー

大型ビジョンに映し出されるルール解説

 また、市内の小中学生・未就学児が無料で観戦できる「スマイルパス」、市内の対象エリアに在住・在勤・在学の人は抽選で無料チケットが当たる「ホームタウンデー」など、お得に観戦できるサービスも充実しており、公式サイトで確認できる。

 バスケ観戦が初めての方も、まずは、横浜武道館でのホームゲームに訪れてみるのはいかがだろうか。

▼横浜エクセレンス 試合スケジュール
https://yokohama-ex.jp/schedule/

ライター=小林幸江 撮影=大宮雅智・紀あさ + ヨコハマ経済新聞編集部

  • はてなブックマークに追加

ピックアップ

ヨコハマ経済新聞VOTE

国際園芸博覧会のメイン会場となる瀬谷区に行ったことはありますか

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース