郵船クルーズ(横浜市西区みなとみらい2)の34年ぶりの新造客船「飛鳥III」が7月20日に就航し、7日間のクルーズに出発した。初航海となる「Maiden Voyage 函館・小樽」では、7月20日~26日の7日間で北海道2港を巡る。その後はオープニングクルーズとして、横浜港を除く日本国内の30港に寄港する予定。
ヨコハマ経済新聞ではこれまで、同船に関するさまざまなニュースを伝えてきた。本稿では、ついに就航を迎えた「飛鳥III」の船内の様子を写真で紹介する。
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飛鳥III 船舶データ
船籍港:日本/横浜
全長・全幅:230m×29.8m
総トン数:52,265GT
喫水:6.7m
航海速力:最高20ノット
乗客数:740名
乗組員数:約470名
客室数:381室(全室バルコニー付き)
3層吹き抜けのメインアトリウム。人間国宝の室瀬和美さんによる高さ8.8m×幅3mの漆芸作品が展示されている。
デジタルアートの映像とダンスパフォーマンスが融合したパフォーミングアーツが楽しめる劇場「リュミエールシアター」や、バーで注文したドリンクを片手に楽しめる「カジノ アンティ」など、船旅の期間中に楽しめるエンターテインメント施設が揃う。
リュミエールシアター
カジノ施設
24時間自由に使えるフィットネスセンターをはじめ、パドルテニスや3on3バスケットボールが楽しめるコート、ゴルフシミュレーター「フルスイング」など、心身の健康を維持する施設も用意。
海を見ながら運動できるフィットネスセンターは24時間利用可能
パドルテニスや3on3バスケットボールができる屋外コート
6つのレストランでは、フランス料理やイタリア料理、割烹、多国籍料理、グリル料理などさまざまな料理を楽しめる。
シグネチャーレストラン「ノブレス」(フランス料理)
割烹料理「海彦」
展望ラウンジ「ビスタラウンジ」、船首に位置し、デッキに出ることもできる
「ビスタラウンジ」の奥には、歴代の飛鳥クルーズの広告やポスターを展示するコーナーも
最高クラスの「ロイヤルペントハウス」から1人部屋の「ソロバルコニー」まで、さまざまな種類の客室を用意。各都道府県をテーマにした「ASUKAIII meets 47都道府県」の客室は、部屋ごとに異なる都道府県の特産品や工芸品などが飾られたコンセプトルームとなっている。
1人用の客室・ソロバルコニー(面積:19.4㎡※バルコニーを含む)
最上級客室・ロイヤルペントハウス(面積:114.8㎡※バルコニーを含む)
ペントハウスクラスの客室にはバトラーサービスが付属しており、すべての食事、寄港地観光ツアー、アクティビティでの席確保が旅行代金に含まれている。
ロイヤルペントハウス・ベッドルーム
グランドスパ(展望大浴場)は船首に位置し、針路を望みながら入浴できる。オリジナルコスメを使用したトリートメントが受けられるサロン&スパも併設。
サウナからも外の景色を眺めることができる
木目を生かしたデザインの屋外プール。プールサイドにはバーも併設されており、季節の野菜やフルーツを使用したカクテルやオリジナルメニューを提供する。
ジュエリーや生花、アパレル商品を扱う店舗もあり、船の中でショッピングを楽しめる。寄港地での観光ツアーや過ごし方を相談できるトラベラーズサロンも。
ジュエリーショップ「オーブ」
飛鳥IIIは「環境負荷の低減」を基本コンセプトのひとつに挙げており、環境負荷の少ないLNG(液化天然ガス)を含む3種類の燃料に対応している。また、錨をおろさずに船の位置を制御できるD.P.S(ダイナミック・ポジショニング・システム)を採用しており、寄港地の海底植物などへの損傷を抑えることができる。
D.P.Sをはじめ、さまざまなシステムを制御する操舵室の様子
編集後記
ついに就航した「飛鳥III」。これまでの記事への反響から、皆様の期待と関心の大きさを感じていました。今後は「飛鳥II」とあわせて初の2隻航行体制となる飛鳥クルーズ。飛鳥姉妹にはあこがれのクルーズ船として末永く愛されてほしいですね。