みなとみらいの「横浜シンフォステージ ウエストタワー」(横浜市西区みなとみらい5)に横浜オフィスを構えるYAMAHAは、全国101局のコミュニティFMと協働し同一番組を放送するラジオ番組「万博 Voice Street powered by SoundUD」を5月28日15時から、大阪・関西万博会場から公開生放送する。
マリンFMのパーソナリティがナビゲーターを務めるほか、技術スタッフも参加して、大規模な同時中継・ライブ配信を行う。
YAMAHAの「SoundUD」の技術を活用し、リアルタイムに番組音声のテキスト化と多言語翻訳を行い、聴覚障がい者や外国人もラジオを楽しめる「ミライのラジオ」を目指す。
万博会場に設営する放送スタジオ(イメージ)
2025年1月から横浜・中区のコミュニティFM「マリンFM」(横浜市中区本牧町1)の番組「ヨコハマ Voice Street」(毎週水曜 15時~16時55分)では「放送内容をテキスト配信する」検証を行ってきた。
この取り組みは、同社が開発した音声ユニバーサルデザイン技術「SoundUD」(Sound Universal Design)を活用して、音声を即時テキスト化して日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語の6言語に対応し、聴覚障がい者や外国人向けに「おもてなしガイド」ウェブサイトでテキスト配信をする、情報アクセスの機会向上に向けた試みだ。
当社が開発し提唱する「SoundUD」は、「音のユニバーサルデザイン化」を実現するテクノロジーの総称。音のある空間と特定の情報やサービス、その空間にいる利用者をつなげることで、情報伝達をスムーズに行うことができる。
5月28日の番組名は「万博 Voice Street powered by SoundUD」。パーソナリティは「ヨコハマ Voice Street」でもパーソナリティをつとめるYAMAHAの瀬戸優樹さんと、マリンFMの中村れいさん。生放送は「マリンFM」「かわさきFM」など82局、録音放送は19局。
大阪・関西万博の「フューチャーライフヴィレッジFLEステージ」をスタジオとして、ゲストに、ミャクミャクを招くほか、1998年に大阪の路上ライブから活動を開始した男性デュオのコブクロや、俳優・モデルとして活動する宮崎湧さんのコメントも紹介する。
番組パーソナリティ 瀬戸優樹さん(左)、中村 れいさん
瀬戸さんは2003年4月にヤマハ入社、着メロサイト「ゴルゴンゾーラ」や、歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド・ボカロ)」などの新規事業を手掛け、現在は音のユニバーサルデザイン化システム「SoundUD」を推進している。
28日当日は音声配信とともに、生放送時に「おもてなしガイド」(https://go.soundud.com/q/sann-zwkdcp7)にテキストが配信される。対応予定言語は、日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語。
ヤマハ新規事業開発部の森田健志さんは「ヤマハの首都圏機能がみなとみらいに集約した事に伴い、マリンFMと連携して、技術開発や実証実験を行っている。今後も全国の放送局と協働し、横浜で生まれた技術を全国に広げていきたい」とコメントし、マリンFMの笹原延介社長は「今年は国内ラジオ100周年の記念の年ということもあり、『未来博』の位置もあり、100局規模での取り組みに挑戦する」と話す。
マリンFMスタジオ、笹原延介社長
番組前半の第1部「万博ミライラジオ」(15:00~15:27)では、大阪・関西万博の見どころ紹介とともに、特番で活用されている最新技術や「未来のラジオ」について語られる。会場運営プロデューサーの石川勝さん(万博協会)からのコメントも交え、ヤマハの文字多言語化システムを使った試みの意義や万博会場の様子が紹介される。
ゲストには、全国のコミュニティFM局を束ねるJCBA代表理事でFM小田原社長でもある鈴木伸幸さんと、横浜市認定のNPO法人スローレーベルで芸術監督を務める栗栖良依さんが出演する。
鈴木さんは「地域密着のコミュニティ放送局がこの技術により今まで以上に多くの人に情報を届けられる。災害時にも活用できれば情報難民を減らせる。SoundUD技術はこれからの『ミライのラジオ』を語っていく上で重要なシステムの一つであると断言できる」と語り、未来のラジオへの期待を述べている。
栗栖さんは横浜生まれの文化芸術プロデューサーで、2011年に象の鼻テラス拠点の「横浜ランデヴープロジェクト」を機にスローレーベルを立ち上げ、2014年にはヨコハマ・パラトリエンナーレの総合ディレクターを務めるなど、障害のある人と共に創作する先進的なアートプロジェクトを多数手がけてきた。多様性と調和をテーマに活動しており、万博の未来社会コンセプトやラジオのバリアフリー化について横浜発の視点を交えて話をする。
続く、「万博 BEAT!」では、米国や中国などのパビリオン担当者が自国の言語で魅力を紹介。横浜で検証しているSoundUD技術により、リアルタイム翻訳が行われ、誰もが内容を理解できる「ユニバーサルラジオ」のプログラムとして展開される。
「ご当地万博!」では、全国のコミュニティFM局がリモート出演し、地域の魅力と100年後の未来へのメッセージを1分リレー形式で発信。横浜からはマリンFMなどが参加する。
「万博トピック!」では、会場の最新イベント情報や各国パビリオンの動向、全国から寄せられたリスナーメッセージを紹介し、市民一人ひとりが万博を身近に感じられる内容となっている。
みなとみらいのYAMAHA
今回の特別番組は、「未来のラジオ」の可能性を示す技術実証であると同時に、万博の盛り上がりを全国に共有しようという地域メディア連携の挑戦でもある。国内で唯一の視覚、聴覚障がい者のための大学である国立大学法人筑波技術大学などの協力を得て実施する。
総務省 国際戦略局 技術政策課 研究推進室長の井出真司さんは、公開生放送では、放送内容をリアルタイムに多言語に翻訳し、それらをテキストに表示して「みえる化」する先進的な技術について、「総務省ではこうした多言語翻訳技術の開発を支援してきた。今回の放送は、総務省が目指す『言葉の壁』から解放された社会の実現に貢献する意義のある取り組み。この『ミライのラジオ』を多くの方々に視聴いただき、未来社会の一端を体験いただきたい。今後、こうした技術が広く社会において活用されていくことを期待している」とコメントしている。
横浜から生まれた音のユニバーサルデザイン技術と、全国コミュニティFM局のネットワーク力が結集し、言葉や聴力の壁を越えて情報を届けるラジオ放送で、多文化共生社会の一端を体験できる。
万博会場で生まれる感動や最新情報が電波と文字に乗って横浜にも届くこの機会に、ぜひラジオを通じて未来の万博体験を楽しんでほしい。
番組はマリンFM(86.1MHz)やJCBAインターネットサイマルラジオ、スマートフォンアプリRedimo(レディモ)などで視聴可能。
公開生放送の様子は、YouTubeからも視聴できる。
日時:2025年5月28日(水)15:00~16:55
会場:大阪・関西万博 フューチャーライフヴィレッジFLEステージ
番組名:「万博Voice Street powered by SoundUD」
放送局:日本全国のコミュニティFM(生放送82局、録音放送19局)
※2025年5月20日現在
※JCBAインターネットサイマルラジオやRadimoアプリでも視聴可能。
パーソナリティ:瀬戸 優樹、中村 れい
テキスト配信:「おもてなしガイド」 https://go.soundud.com/q/sann-zwkdcp7
※アプリのダウンロード不要。生放送時にテキストを配信。
※対応予定言語:日本語・英語・中国語(簡/繁)・韓国語・スペイン語・フランス語
<放送内容>
「万博ミライラジオ」 放送 15:00~15:27
大阪・関西万博の見どころや本番組で活用する技術、「ミライのラジオ」について語る。
<コメント出演> 石川 勝(大阪・関西万博 会場運営プロデューサー)
<ゲスト出演> 鈴木 伸幸(一般社団法人日本コミュニティ放送協会 代表理事)
栗栖 良依(認定NPO法人スローレーベル 芸術監督)
「万博 BEAT!」 放送 15:30~15:57
大阪・関西万博の人気パビリオン担当者が生出演し、パビリオンの魅力や見どころを紹介。発表は各国の言語で行う。日本語のテキスト配信も行い「おもてなしガイド」で技術を体験できる。
<ゲスト出演> アメリカパビリオン エバン・チェン(ユースアンバサダー)
中国パビリオン リウ・シュオ(副館長)
「ご当地万博!」 放送 16:00~16:27
北海道から沖縄まで、全国各地の放送局がリモートで出演。1分間で、それぞれの地域の魅力や、100年後のミライについて語る。
「万博トピック!」 放送 16:30~16:55
万博にまつわるイベント情報など最新のトピックを紹介。リスナーからのメッセージ紹介も行う。