特集

ギャルの聖地「マルキュー」がヨコハマベイエリアに
新たなカルチャー発信拠点「MINATOMIRAI 109」

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■「SHIBUYA 109」の変遷

 109の本拠地「SHIBUYA 109」は1979年にオープン。当時はスポーツショップや呉服店なども入っていた全方位型の商業施設だった。それがティーンを中心にした女性向けのファッションビルへ様変わりしたのは、90年代後半から。当時、バブル崩壊で109も全体の売り上げが落ち込んでいたが、なぜか女子高生向けにルーズソックスなどを扱うショップのみが繁盛した。そこに着目した「SHIBUYA 109」は、1996年、全館を女子高生世代にターゲットを絞った商業施設にコンセプトを変更したのだそうだ。

 ターゲットを明確に絞り込んだ「SHIBUYA109」側の戦略と同時に、いくつかの社会現象も関係している。1996年頃に一世を風靡した「アムラー」現象は、人気アーティストの安室奈美恵さん専属のスタイリストが、109系ブランドで衣装をそろえていたことがティーンの間で話題となった。また、女子高生ブーム、コギャルブームといった現象からヤング・レディース・ファッション誌が次々と創刊されたのもこの時期。月刊誌「Cawaii!(カワイイ!)」(主婦之友社)を始め、ギャル系雑誌と呼ばれる媒体がこぞって渋谷ファッションを取り上げ、特集を組んだ。

 今では「SHIBUYA 109」の中でも「ギャル系」「姫系」「お姉系」などファッションの細分化が進んでいる。

SHIBUYA 109

■「MINATOMIRAI 109」の全容

 「MINATOMIRAI 109」の出店面積は3,643平方メートル。新規店舗23店舗、改装オープン1店舗、既存店舗11店舗の計35店舗で構成されている。

 新規テナントは、レディスウェア=「セシルマクビー」「グラッドニュース」「ギムレット」「ヴァンス」「スパイラルガール」「ワンウェイ」「バイバイ」「ダズリン」「デュラス」「ロデオクラウンズ」「クリックス」「エゴイスト」「マウジー」「ミンプリュム」「ラヴァップ」「スプレイ」「リップサービス」。レディスシューズ=「エスペランサ」「ボニータ」。レディスインナー=「チュチュアンナ」「エメフィール」。アクセサリー=「グランドエッジ」。スイーツショップ=「ピュアベリー」。

 ラインナップを見ると「SHIBUYA 109」で評判のブランドがそろっている。「MINATOMIRAI 109」は館内の通路が広く、全体的に明るいイメージ。みなとみらいは観光客やファミリー層も多いため、間口を広げつつ業務展開していくようだ。事実、近隣に位置するコレットマーレやランドマークプラザの客層はファミリー層が多い。

MMのマルキュー「MINATOMIRAI 109」の店舗決定-4月17日開業(ヨコハマ経済新聞)

コレットマーレ

横浜ランドマークタワー

■長蛇の列をつくったオープン初日

 4月17日の朝。オープン前から入り口には約800人が行列を作っていた。「セシルマクビー」は、高い位置に配置されたマネキンのあるショップにごった返すほどの若い女性たちが集まり、買い物を楽しんでいた。

 クイーンズスクエア横浜「アット!」の総支配人の石川哲也さんは「年々上昇傾向にあるクイーンズスクエアの来館者層に若年層を取り込み、活性化していければと思っています」と話す。今後は同じクイーンズスクエアにあるキャラクター系のショップとも提携していくことも視野に入れている。確実に若い女性客を意識しているようだ。

 当日の来客の中には「今まで横浜のモアーズやビブレで買い物をしていたが、今後はみなとみらいにも足を運ぼうと思う」という声もあった。みなとみらいが若い女性の注目を集めている。

クイーンズスクエア横浜

セシルマクビー

MMにマルキュー「MINATOMIRAI 109」-オープン前に長蛇の列(ヨコハマ経済新聞)

■横浜美少女図鑑とコラボ

 「うちのモデルも「MINATOMIRAI 109」のオープンでテンションがあがっています」と話すのは横浜美少女図鑑編集長の武田芳和さんだ。

 横浜美少女図鑑は横浜に住む「普通の女の子たち」をモデルに、誰もが見覚えのある横浜の街並みをロケーションとして撮影するファッション誌で、昨年の6月に創刊した。今年4月1日には「MINATOMIRAI 109」とコラボし、「MINATOMIRAI 109 feat. 横浜美少女図鑑」というファッション写真集を配布している。普通の女の子が109ブランドを着こなし、横浜をバックにした写真を見せることで手に届きやすいものに感じ取ってもらうことが狙いだ。5月3日には、「MINATOMIRAI 109」とのコラボイベントも予定している。

 「109が出来たことで、渋谷で買い物をしていたお客さんも横浜に行きたいと思わせることが重要だと思います。若い女性は見た目や雰囲気などを大事にします。『109』だけではなく周りと連動しながら、新しいものをくっつけていかないと、成功しないと思います。また、横浜美少女図鑑も同じ世代のコをターゲットとしてるメディアとして、一緒に新たなカルチャーを発進し、盛り上げていけたら良いと思っています」と武田さんは話す。

 「MINATOMIRAI 109」が横浜女性のファッションの選択肢を増やしているのは間違いない。この春、「MINATOMIRAI 109」のほかに、桜木町駅前「コレットマーレ」と、横浜駅きた東口の「横浜ベイクォーターANNEX」がオープンして、横浜都心臨海部のショッピングシーンはよりにぎやかになってきている。みなとみらいのこの新しい商業施設は、横浜のギャルの聖地としてのポジションを獲得し、若い層の集客を集めていけるのか。この先の展開に注目していきたい。

フリーペーパー「横浜美少女図鑑」が6月に創刊-関連イベントも(ヨコハマ経済新聞)

横浜美少女図鑑

梶原誠司 + ヨコハマ経済新聞編集部

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