国内初の「トマトケチャップ」を再現-横浜・清水屋

国内初のトマトケチャップを復刻した「インターフード」丸山和俊社長

国内初のトマトケチャップを復刻した「インターフード」丸山和俊社長

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 トマトソース製造やパスタ専門店を経営する「インターフード」(横浜市中区日本大通)が昨年10月から販売している「清水屋ケチャップ」が話題を集めている。横浜で創業した清水屋が製造した国内初といわれるトマトケチャップを再現したもので、香辛料を含む全て有機栽培の素材を使用しているのが特徴。

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 復刻は、トマトに関する歴史を調べていたという同社の丸山和俊社長が、横浜市発行の季刊誌「横濱」に掲載された清水屋の記事を偶然見つけたことがきっかけだったという。記事によると清水屋は、横浜子安村(現・神奈川区子安)で西洋野菜の栽培をしていた清水與助氏が加工業に乗り出し1896年に創業したトマトケチャップの製造会社。これは、1903年に日本で最初のトマトソース製造に着手した「カゴメ」よりも早く、国内産トマトケチャップ発祥の地が横浜である可能性が高いといわれている。

 再現するにあたって丸山社長は、当時製造に関わった清水與助さんの孫・金子とよ子さんの証言や残された資料を元にレシピや材料を調べたという。当時の状況から、原料のトマトにはアメリカ産の有機野菜を使用。香辛料には、「南洋のズク」が使用されていたとの金子さんの証言で、台湾のあらゆる香辛料を試し、「ニクズク」(ナツメグ)にたどり着いたという。味は、酸味を抑え自然な甘みが特徴。開港資料館に当時の瓶のラベルが保存されていたため、同様のデザインを使用した。丸山社長は「当時、馴染みのない食べ物だった西洋野菜に力を入れた清水與助氏のフロンティア精神に共感し再現しようと思った。味だけでなく、チャレンジする精神の復刻を目指した」と話す。

 価格は750円(300グラム)。昨年10月から横浜市内限定で毎月2,000本を販売、すべてが完売した。現在は同社サイトでも販売中で、問い合わせが殺到しているという。丸山社長は「量産は狙わず、今年は横浜でトマトの畑を復刻し、『清水屋ケチャップ』第2弾の販売を目指す」と抱負を語る。

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