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認定NPO法人横浜移動サービス協議会が20周年 DXを活用した誰でも移動が楽しくなる移動支援「いつでもだれでもどこへでも」

提供:横浜移動サービス協議会 取材・制作:ヨコハマ経済新聞編集部

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横浜移動サービス協議会」(横浜市中区真砂町3)は2000年に結成、2004年に法人化し今年で創立20周年を迎える認定NPO法人。「いつでも、だれでも、どこへでも」をモットーに「断らなくてすむシステム作り」を目指し、介護タクシーの普及や、利用者とのマッチングに努めてきた。

実証開始「i-CareGo(アイケアゴー)個人・家族向けアプリ」

スマホから簡単に介護タクシーを呼ぶアプリを『DXを活用した移動支援 ~ 移動が楽しくなる体験イベント』で紹介

 7月1日、自身のスマートフォンから簡単に介護タクシーを呼ぶことができる、「i-CareGo(アイケアゴー)個人・家族向けアプリ」が開発元の株式会社アイネット(横浜市西区みなとみらい5)からリリース、横浜移動サービス協議会との連携で実証を開始した。

 7月26日には、そごう横浜地下の新都市プラザで、外出が困難な人を対象にした移動支援に取り組んでいる認定NPO法人横浜移動サービス協議会による「DXを活用した移動支援 ~ 移動が楽しくなる体験イベント」を開催した。

DXを活用した移動支援 ~ 移動が楽しくなる体験イベント

 オープニングセレモニーでは自らも車いすを利用する同協議会理事長の服部一弘さんがあいさつ。

「僕は約30年前に怪我をして車椅子を使うようになりました。
しかし30年と全く変わらないことがあります。あれ、ここに段差があります。

僕は嬉しくてしょうがない。
タクシーに乗れるということがどんなに嬉しいことか、みなさん、分からないですよね。

タクシーです。手上げたら、止まってくれる。
果たして、僕のような車いすの人間が手を上げて…簡単に止まらないんです。

ただこのアプリを使って、アプリで呼べば、どんな所でもつながっていきます。
もしタクシーのアプリがない方は、どんどん入れてください」

認定NPO法人横浜移動サービス協議会理事長の服部一弘さん

 イベントでは、新しいアプリの体験コーナーや、車いすの操作方法や介助方法を学べる「車いす体験コーナー」、移動支援サービスの相談コーナー、移動支援やガイドボランティアの取り組みを紹介するコーナーなどを設け、多くの人が訪れた。

DXを活用した移動支援 ~ 移動が楽しくなる体験イベント

介護タクシーを利用した体験を動画で紹介「介護タクシーでお出かけしたよ」を披露

 また、横浜移動サービス協議会が関内駅前で運営するB型作業所「IKIIKI(いきいき)カンパニー」に勤務する「ホッシーポコ」さんによるマジックショーとバルーンサービス、横浜を中心に活動する出す大道芸人「てまわしオルガンKINO」さんによる「移動」をテーマにした紙芝居付きの手回しオルガンのパフォーマンスのほか、介護タクシーのドライバーをしながらシンガーとしての活動を続けている山口紗矢佳さんが司会進行、歌も披露した。

シンガーで介護タクシーのドライバーの山口紗矢佳さん

「i-CareGo(アイケアゴー)個人・家族向けアプリ」

横浜移動サービス協議会とは? 理事長のタロさんってどんな人?

 横浜移動サービス協議会で理事長を務める「タロさん」こと服部一弘さんの経歴は波瀾万丈。

2023年の毎日社会福祉顕彰(毎日新聞社主催)で表彰されたタロさん

 1963年鎌倉生まれ、幼稚園の時に横浜に転居。野球少年として育った。鎌倉学園高校に入学、1年生でバイクの免許を取得、さらに限定解除をして750ライダーになった。高校2年の夏休みにはホンダCB750FZで日本一周。

 高校卒業後、ホンダ販売店に入社し、東京都八王子高等職業訓練校自動車整備科夜間部にも入学。成人式の日は筑波サーキットでレース。1986年、22歳でバイク屋「WONDERKIDS」設立、筑波サーキットで二輪の「レースオフィシャル」として活動。同年6月、北米大陸一周ツーリングにメカニックとして参加。「アメリカ帰りのメカニックになれば箔がつく」そんな未来への希望にあふれた旅だった。

 そんなタロさんが交通事故にあったのは、カナダ・ノバスコシア州。反対車線をオーバーランした車をよけて、崖側にハンドルを切った。落下こそしなかったが、落下防止の杭に激突。

 気が付いたら記憶がなかった。ろっ骨、鎖骨、多くの神経が通っている胸の胸椎5番が折れて、脊髄を損傷。1987年に帰国後、外傷性脊髄損傷による体幹機能障害、両下肢対麻痺(身体障害者手帳:1種1級)と診断され、車いす生活が始まった。

 胸から下の感覚が全くない。医者が言った「キミは一生車いす」。足はなくなっていなくて付いている、もしかしたら動くかもしれないと思っていたが、動かないという現実を思い知った。脊椎損傷の専門病院で、周りを見ると、ほとんどの人が車いすに乗っていた。そして笑いながら、上手に車いすを動かしていた。「じゃあ俺も、早く笑っているようになりたいな」。

 退院後は、車いす生活となったが、飛行機を使って沖縄へ旅をしたり、単身カナダへ向かってお世話になった看護婦さんの家で1ヶ月間ホームステイしたりと、人一倍旅が好きな自身の気持ちにまっすぐに生きた。

 1988年、飾技術を取得し、宝石屋「飾り職TARO」を開業。1998年に全国身体障がい者スポーツ大会「かながわ・ゆめ国体」の後夜祭事務局員として参加。そこで横浜移動サービス協議会の前理事長の岡村道夫さんと出会った。岡村さんの人柄と「移動の権利は基本的人権の一つ」という同会の理念に惹かれ、意気投合。横浜移動サービス協議会の理事になった。

 2020年4月に岡村さんが急逝。思いを引き継いで、理事長に就任した。

移動サービスに参加しよう!

多彩な事業を通じて、外出サポートが必要な方々の快適で楽しい生活を応援

 新規にリリースされた「i-CareGo(アイケアゴー)個人・家族向けアプリ」のほか、移動サービス協議会が現在取り組んでいる活動は多岐に及ぶ。

 障がいのある人が利用できる主なサービスは・・・

 また、障がいがある人を支えるサービスとして、神奈川県ガイドヘルパー養成研修なども実施している。

 最初の一歩は、ガイドボランティアの登録から。

 ガイドヘルパーなど、さまざまな関わり方ができる。

障がい者の外出を支援するヘルパーの資格を3日で取得可能

福祉有償運送やガイドボランティアも募集

 併せて、個別送迎による介護タクシー事業者の協力を得て、高齢者・障がい者にお出かけをプレゼントする「お出かけプレゼント」も企画。一口3,000円の寄付も募っている。

「社会貢献として、明日は我が身かもしれないお互い様、気持ちを寄付しませんか」

iCare-Goおでかけ動画

移動の先に待っていることがある

 車いすで暮らす移動サービス協議会理事長のタロさんは、身体の障がいに加え、2013年に脳内出血より失語症も抱えたが、現在も日々、仕事・プライベートとともに活動的に暮らしている。

 「やりたいことのために、会いたい人に会いにいくために、移動支援があるんです」と、「やりたいこと」を作り出す取り組みもしている。

 「チャレンジ・ド・コンサート」は、高齢者・障害者に限らず、何かに挑戦している人 (チャレンジャー) なら誰でもwelcomeな 「全員参加型」のコンサート。

チャレンジャーを応援し、新たなチャレンジへとつなげていく場を、みんなで作る

 移動サービス協議会の仲間たちとともに、さまざまな取り組みを生み出しているタロさん。「移動は手段で『移動の先に待っていることがある』んです」と笑顔をみせた。

認定NPO法人横浜移動サービス協議会

〒231-0016
横浜市中区真砂町3-33 セルテ11F
よこはま市民共同オフィス内
TEL: 045-212-2863

団体宛寄付 URL
https://yokohama-ido.jp/kifu/
https://yokohama-ido.jp/odekake/odekake-present/

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