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プレスリリース

【岡山大学】夏季における牛の受胎率低下の一因を解明 ~猛暑は人間だけでなく、牛にも大きな影響~

リリース発行企業:国立大学法人岡山大学

情報提供:


2021(令和3)年 10月 20日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>


夏季の暑熱ストレス状況下の牛の受胎率低下の一因を解明しました。
暑熱ストレスが子宮内膜中の免疫細胞の分布異常を引きおこしていることを明らかにしました。
この異常は小胞体ストレス応答を介した免疫細胞誘引物質の分泌変化によることを明らかにしました。



◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の学術研究院環境生命科学学域(農)木村康二教授、山本ゆき准教授、同大学院環境生命科学研究科卒業生・酒井駿介博士(現小野薬品工業株式会社研究員)と東京農業大学の研究グループは、牛の夏季の受胎率低下原因の一つが子宮内膜内の免疫機能の異常によるものであり、これは子宮内膜細胞の小胞体ストレス応答によって引き起こされていることを明らかにしました。

 地球温暖化は農業生産に大きな影響をおよぼしていますが、牛においても特に夏季の暑熱ストレスによって受胎率が低下しています。この暑熱による夏季の受胎率低下の原因については明らかとなっていませんでした。本研究から暑熱ストレスは子宮内膜細胞での小胞体ストレス応答を介して免疫細胞の誘引を促す物質であるケモカイン分泌に影響をおよぼし、免疫細胞の局在を変化させることによって、分娩後の子宮内膜炎からの回復が遅れてしまう結果、受胎率が低下する可能性が考えられました。

 これらの研究成果の一部は2021年10月14日、「Journal of Cellular Physiology」にオンライン掲載されました。

 本成果は、牛などの家畜における夏季の受胎率低下を防ぐ技術の開発を通して、畜産経営への安定化・食料の持続的供給に貢献すると期待されます。



図1.冬季(左)および夏季(右)の牛子宮内膜に分布するマクロファージ
矢頭がマクロファージを示している。冬季ではマクロファージは子宮内腔表層付近に分布しているが、夏季では表層近くよりも深部に分布している。


図2.暑熱環境下で培養した牛子宮内膜間質細胞のIL-6 遺伝子(左)およびタンパク質(右)発現
IL-6 遺伝子(左)およびタンパク質発現ともに、常温区に比べて暑熱区で高い値を示している。


図3.暑熱環境下で培養した牛子宮内膜間質細胞の小胞体ストレス応答関連遺伝子発現
小胞体ストレス応答関連遺伝子発現は常温区に比べて暑熱区で高い値を示している。


図4.小胞体ストレス応答阻害剤添加が暑熱環境下で培養した牛子宮内膜間質細胞の小胞体ストレス応答関連遺伝子(左)およびIL-6(右)遺伝子発現
暑熱環境下において、小胞体ストレス応答阻害剤添加によって小胞体ストレス応答関連遺伝子およびIL-6 遺伝子発現は減少する。


図5.暑熱環境下の牛子宮内膜における免疫応答変化(模式図)
暑熱ストレスは牛子宮内膜間質細胞の小胞体ストレス応答を誘起し、IL-6 産生を増加させることで免疫細胞の局在を変化させる。


◆木村康二教授からのひとこと
 家畜やヒトの受胎率向上についての研究にやりがいを感じ、ライフワークとしています。
 近頃の猛暑は人間だけでなく、牛にも大きな影響をおよぼしていて、牛乳生産量が低下したり、受胎率が低下したりしています。この研究成果が何か役に立てばいいなぁと思っています。
木村康二 教授


◆論文情報
 論 文 名:Hyperthermia alters interleukin-6 production in response to lipopolysaccharide via endoplasmic reticulum stress in bovine endometrial cells
 邦題名「暑熱は小胞体ストレス応答を介して牛子宮内膜細胞のリポ多糖に対するインターロイキン-6産生を変化させる」
 掲 載 紙:Journal of Cellular Physiology
 著  者:Shunsuke Sakai, Yuki Inoue, Keisuke Tanaka, Yuki Yamamoto, Hisataka Iwata, Koji Kimura
 D O I:10.1002/jcp.30604
 U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jcp.30604


◆参考論文:牛子宮内膜免疫機能と暑熱ストレスに関するこれまでの発表論文
 論 文 名:Alteration of chemokine production in bovine endometrial epithelial and stromal cells under heat stress conditions
 掲 載 紙:Physiological Reports
 著  者:Shunsuke Sakai, Toshimitsu Hatabu, Yuki Yamamoto, Koji Kimura
 D O I:10.14814/phy2.14640
 U R L:https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.14814/phy2.14640


◆詳しいプレスリリースについて
 夏季における牛の受胎率低下の一因を解明 ~猛暑は人間だけでなく、牛にも大きな影響~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20211015-1.pdf


◆参 考
・岡山大学農学部
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/
・岡山大学大学院環境生命科学研究科
 http://www.gels.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学生殖補助医療技術教育研究センター
 https://sites.google.com/s.okayama-u.ac.jp/artcenter/Home
・岡山大学大学院環境生命科学研究科(農)動物生殖生理学ユニット
 http://www.okayama-u.ac.jp/user/repphys/index.html




◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(農)教授 木村康二
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス
 TEL:086-251-8349
 FAX:086-251-8349
 http://www.okayama-u.ac.jp/user/repphys/index.html

<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
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国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

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