
東急不動産と京浜急行電鉄、第一生命保険の3社が推進する大型複合開発「北仲通北地区B-1地区」(横浜市中区海岸通5)の街区名称が「ハーバーステージ横浜北仲」に決まった。
開発地は、中区北仲通のみなとみらい線「馬車道」駅から徒歩約2分の海に囲まれた一角。水辺に面した立地に住宅・商業・オフィス機能を一体化させた複合施設が整備される。街区名称には、1859年の横浜開港以来、文化と経済の交流が続いてきた北仲エリアの歴史を引き継ぎつつ、「日常を輝かせる水辺のステージ」として未来を描く意味が込められている。
開発の核となるのは40階建ての住宅棟、約740坪の大フロアを有するオフィスゾーン、そして延床面積約4,300平方メートルの商業ゾーン。住まい、働く場、訪れる場としての機能を担いながら、運河沿いには約3,200平方メートルの広場やプロムナードも整備される予定。オフィス部分は、CASBEEスマートウェルネスオフィス認証の取得を目指し、健康や快適性に配慮した設計となる。
ランドスケープは、「スタジオ・ゲンクマガイ」(中区山下町)が手掛ける。波の軌跡を模した弧を描く舗装や木立、ベンチなどを配し、水辺の開放感と落ち着いた空間を両立させる計画。地域交流の場として「シェア型農園」を西側に設け、農や食を介して住民や就業者のつながりを育むことも目指している。
住宅部分は、総戸数704戸の高層大規模タワープロジェクトの分譲マンションで、名称は「ブランズタワー横浜北仲」。建物1階から2階に位置する低層部商業ゾーンは飲食店舗、サービス店舗などが開業予定。
屋外空間にはみなとみらいの景観を望める眺望スポットも整備され、階段と踊り場を通じて視界が広がっていく設計が採用される。夜間は床に設けた照明が「光の道」となり、エリア全体の魅力を高める。
本事業では、建物全体の電力を非化石証書付きの再生可能エネルギー由来電力で賄い、分譲マンションも一括受電システムにより全戸が再エネ100%を利用する仕組みとする。屋上には太陽光発電設備を設け、共用部の電力に活用。環境負荷の低減とサステナブルな街づくりに取り組む。
建物設計は熊谷組・東急設計コンサルタントの共同体、施工は熊谷組、外観デザインは「クイーンズスクエア横浜」などを手掛けた建築設計事務所「日建設計」が手がける。工事は2023年11月に着工しており、2027年秋頃に完成予定。住宅は、2028年3月から入居開始の予定。
完成後は住宅、ビジネス、観光の各機能が融合する新たな都市拠点として北仲エリアのにぎわいを支え、横浜の都市景観に新たな象徴を加える見込み。