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東神奈川駅に昔ながらの掲示板 XYZのメッセージ

伝言板には伝言がびっしり。駅員は6時間前のデジタル写真と見比べながら、時間がたった伝言を黒板消しで消していく

伝言板には伝言がびっしり。駅員は6時間前のデジタル写真と見比べながら、時間がたった伝言を黒板消しで消していく

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 JR東神奈川駅(横浜市神奈川区東神奈川1)で、黒板にチョークを用いて伝言を書く方式の「伝言板」が、改札付近に復刻設置された。新型コロナウイルスの影響で空いてしまった広告掲示用のスペースを利用した。

東神奈川駅、伝言板。黒板の上には52人の駅員で考えたメッセージ

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 発案者は新潟出身の駅員、本間美咲さん(24)ら7人の若手社員。旅行をPRするポスター広告が剥がされた壁を見て、暗い話題が多い中、何か少しでも明るい話題を提供したいと考えた。駅事務室内で同僚らに相談すると、50代の先輩駅員から20年ほど前までは「伝言板」が駅にあったという話を聞き、設置を決めた。

 ちょうどいいサイズの市販品がなく、材料は雑貨店でそろえた。黒板部分は小さいピースを貼り合わせたため目を凝らすと継ぎ目が見える。「伝言板」「六時間後に消します」などの文字も、カッティングマシンを使って自作した。

 黒板の上には、同駅の52人の駅員で考えた手書きメッセージを添えた。「行きたい場所がある。会いたい人がいる。あなたの想(おも)いを文字にしませんか。想いや希望を共有することで閉塞した雰囲気が和らぐと思い伝言板を競ってしました。駅社員一同、皆さまが笑顔ですごい日々が戻ると信じています。皆さま負けずにがんばりましょう!」

 伝言板には「一緒に学校に行こうね」「いつか出勤できる日がきてほしい」「JRさんありがとう」など、駅利用客の思い思いの言葉がズラリと並ぶ。漫画家・北条司さんの作品「シティハンター」では、新宿駅の伝言板に「XYZ」と書くことが依頼の暗号であることから、「XYZ」を伴った伝言「XYZコロナを収束させて」なども見られる。

 伝言板を本間さんと共に設置した守屋倫太郎さん(23)は「よく見られるのは『日常に戻りたい』という願い事」と話す。伝言は改札口の駅員が、6時間前の伝言板を記録したデジタル写真と一つ一つ見比べながら、6時間以上経過したメッセージを黒板消しで消す。

 設置開始は4月30日の昼から。終了日は未定。

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