特集

「BASEGATE横浜関内」の没入型体験施設「ワンダリア横浜」 企画・運営を担当するDeNAの浅井洋平さんインタビュー

  • 0

  •  

建設中の「BASEGATE横浜関内」の「ワンダリア横浜 Supported by Umios」は、DeNAが直営する没入型体験施設。この「ワンダリア横浜」の企画・運営を担当するDeNAの浅井洋平さんに、施設の概要・魅力、今後の展開について聞いた。

建設中の「BASEGATE横浜関内」 タワー棟3・4階が「ワンダリア横浜」

横浜市旧市庁舎街区活用事業「BASEGATE横浜関内」とは・・・

 まず、JR関内駅前の横浜市旧市庁舎街区を活用した大規模複合施設「BASEGATE横浜関内」は、オフィスや新産業創造拠点、飲食店を中心とした商業エリア、旧横浜市庁舎行政棟を保存・活用したホテルなどからなる。

BASEGATE横浜関内、建物の開業予定日は2026年3月19日

 飲食ゾーン、新産業創造拠点、環境配慮型オフィス、ラウンジなどと併せ、ホテル「OMO7横浜 by 星野リゾート」、常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE Supported by 大和地所」、没入型体験施設「ワンダリア横浜」など魅力的な施設が集まっている。

アクセスは関内駅南口改札からすぐ

 タワー3・4階にでき、DeNAが直営する「ワンダリア横浜」は、2026年春に開業を予定する。「ワンダリア横浜」の開発・運営を担当するDeNAの浅井洋平さんに、施設の概要・魅力、今後の展開について伺っていく。

株式会社ディー・エヌ・エー 浅井 洋平さん

 大学卒業後、金融会社へ入社し不動産金融ビジネスを経験。2011年、水族館事業部へ異動し、都市型水族館の立ち上げに参加。その後、水族館のイベント企画・プログラム制作・エリアマネジメント業務などを担当。

 2018年、不動産会社に移り、まちづくりを基軸に商業施設のリニューアルや新規物件の企画業務を担当。2023年、支配人として札幌の水族館「AOAO SAPPORO」の開業に従事。新たな観光名所としての成功へ導いた。

 DeNAの入社は2025年1月。「ワンダリア横浜」については「知的好奇心を満たすエンターテインメント施設」であることや「DeNAにとって初の事業」である点に興味を持った。母の実家が横浜だったことから横浜を盛り上げたい思いもあるという。

臨場感のある映像 映像鑑賞にとどまらない没入型体験

 「ワンダリア横浜」は、「驚きや不思議との出会いを、臨場感のある映像とともにお届けする没入型体験施設」だという。

 デジタル表現を駆使して作られた、森林や深海など、異なるテーマが設定された6つのゾーンを巡り、日常では体験できないような生き物や自然との出会いを楽しむことができる。

没入系の映像施設で、テーマがアート軸ではなく、自然や生き物というのはユニーク

 例えば、ゾーン2「ダイブ・トゥ・ブルー」は深海が舞台となり、海面上空からダイブし深海のディープ・ブルーへ潜っていく体験を提供。ゾーン5「大空に舞う」では、空が反射する湖から大空への転換が描かれる。

ゾーン2「ダイブ・トゥ・ブルー」

ゾーン5「大空に舞う」

 前職の水族館でもデジタル要素を扱ったことがあるという浅井さんは「デジタルでも『実際の生き物を目にした時と変わらない反応』を来館者、特に子どもたちが示していたことが印象的でした」と振り返り「ワンダリア横浜でも、そういうリアルと変わらない感覚を味わっていただけるのではないかと期待しています」と話す。

 さらにワンダリア横浜では、映像の投影方法についても、従来の「平面スクリーンの映像鑑賞」の枠を超えた演出があるという。

 「海の中や水中に潜るような『浮遊感』が体験できるゾーンは特に魅力的だと感じています。水族館や動物園では、生き物がいる環境を『見る』ことはできますが、『その世界に身体ごと入る感覚』はどうしても再現できません。映像施設だからこそ、生き物が体のすぐそばを通り抜けていくような、没入感のある体験が可能になる。これがワンダリア横浜ならではの魅力だと思います」

自社開発のアプリで、好奇心を知的好奇心に

 施設オリジナルの「ワンダリアアプリ」を使った体験も、もうひとつの特徴。スマホをかざして映像内の生き物の情報を知ることができるだけでなく、生き物を見つけるミッションなどを通して、ゲーム感覚で施設内を探求できる仕組みになっている。

「ワンダリアアプリ」イメージ

 心が揺さぶられたその理由がなぜだったのかが、アプリで分かり、好奇心を知的好奇心に変える。世代を問わず幅広い層の方に、直感的に楽しみながら「気づき」や「発見」を持ち帰っていただける施設を目指しているそう。

 「日常生活に持ち帰って、ワンダリア横浜に来る前と来たあとで『見える景色が変わるみたいになるといいですね」 生成AIは一般にクラウド処理を活用しているが、ワンダリアアプリで検討している仕組みは「端末内で動くAIシステム」。クラウドを経由せずその場でデータ分析・判断を行うことができる。これにより、来館者が直感的に「気づき」を得やすくなるという。施設内で集めた生き物のデータは帰宅後もそのまま端末内で見られるようにする想定。

 ワンダリア事業グループは現在6人で、アプリ開発のエンジニアチーム、コンテンツ制作のデザインチームなど、社内外と協力しながら進めている。「DeNAはアプリ開発を自社で行える強みを持っています。社内でスピーディーに開発・改善できるのは非常に頼もしいと感じています。内製でここまでできるのはDeNAならではだと、私自身も非常に刺激を受けています」と浅井さん。

街に必要な機能を担う施設に 関内の「まちづくり視点」での運営

 これまで水族館の立ち上げや、まちづくりを基軸とした商業施設の企画などに携わってきた浅井さんは、どの街でも共通して重要なのは「その街にとって必要な機能を、施設がどう担えるか」という視点だという。

 「新しい人流を生み出したり、これまで街に来たことがない人が来てくれるきっかけになったり、単に施設を運営するだけでなく、まちづくり視点での運営を心がけていきます。

 みなとみらいと中華街の間の『関内ブランド』を作りたい。横浜スタジアムに隣接する場所で、DeNAがエンターテインメント領域で培ってきたデジタル技術などの要素を組み合わせながら、横浜エリアの新しいランドマークになるような施設にしていきたいと考えています」

ワンダリア横浜 Supported by Umios

開業予定日 2026年春
営業時間 月曜~木曜=10時~19時、金曜~日曜・祝日・大型連休など=10時~21時
ワンダリア横浜 https://wonderia.jp
BASEGATE横浜関内 https://basegate-yokohama-kannai.com/

  • はてなブックマークに追加

ピックアップ

ヨコハマ経済新聞VOTE

国際園芸博覧会のメイン会場となる瀬谷区に行ったことはありますか

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース