特集

新高島に出現したエンターテイメント拠点
複合施設「GENTO YOKOHAMA」の全貌

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■MM21地区への「新しい玄関口」となる総合エンターテイメント施設

11月25日、MM線新高島駅前のみなとみらい21地区53街区に『GENTO YOKOHAMA』がグランドオープンした。同施設は総敷地面積14,290平米、総延床面積21,188平米、横浜駅東口からも徒歩7分というアクセスの良さで、横浜駅からMM21地区への「新しい玄関口」として注目される総合エンターテイメント施設だ。同施設は3つの棟で構成される。東急不動産と三菱地所が共同で運営するシネマコンプレックス・アミューズメント棟には、11のスクリーンを備えたシネマコンプレックス『109シネマズMM横浜』に加え、横浜発祥の「もののはじめ」をテーマにタイトーが運営するアミューズメント施設『横濱はじめて物語』、及びショップ&レストランが入居。また東京放送が横浜最大のライブハウス『横浜ブリッツ』を、テイクアンドギヴ・ニーズがハウスウェディング『ベイサイド迎賓館・ベイサイドガーデンクラブ』をそれぞれ建設し運営している。施設名の『GENTO YOKOHAMA』は、「GENKI(元気)なENTERTAINMENT(エンターテイメント)のOASIS(オアシス)」からなる造語。多彩なエンターテインメント機能を集積させることで、MM21地区の「新名所」となることを目指し、年間250万人の来場を見込んでいる。

2004年1月に横浜市によるMM21地区53街区の開発事業者募集に4社共同の事業提案書が選定され、土地所有者である同市、同市土地開発公社より計画地を期間10年の事業用借地として東急不動産と三菱地所が賃借し、共同事業者である東京放送、テイクアンドギヴ・ニーズとともに複合施設を開発、推進してきた。 10月2日には『ベイサイド迎賓館・ベイサイドガーデンクラブ』が、また11月14日には『横浜ブリッツ』がオープンしていたが、他の施設も営業を開始する11月25日が複合施設『GENTO YOKOHAMA』のグランドオープンとなった。

横浜駅東口とMM21地区のクロスポイントに位置している同エリアへのアクセス改善として、横浜市は横浜駅東口と日産新本社ビル建設予定地の間にある帷子川の上に約100メートルの歩行者専用立体通路「横浜駅東口ペデストリアンデッキ」を2007年度までに開通させる予定だ。その際には横浜駅から同エリアを訪れる人が増加することが予想される。同施設の建設が決定した後、周辺に企業の本社ビルや複合エンターテイメント施設などの建設が決まったことからも、同エリアが高い注目を集めていることが分かる。

GENTO YOKOHAMA GENTO YOKOHAMA GENTO YOKOHAMA周辺地図

■最新設備を備えた新デートスポット 『109シネマズMM横浜』

東急レクリエーション、相鉄ローゼン、松竹の3社による、全11スクリーン、2,210席を備えた横浜最大級のシネマコンプレックス『109シネマズMM横浜』が25日にオープンした。2階にはチケットカウンターと広いロビー、シアター1から6が設置され、4階にはシアター7から11と飲食コーナーが設置されている。コンセッション(売店)ではオーブンで焼き上げているクロワッサンなどを提供するのに加え、日本で初めて映画館にハーゲンダッツショップが出店するなど、飲食面にも力を入れている。シアター7と9には、フィルムではなくデジタル映像データを使用して上映するシステム・DLPデジタルシネマを神奈川県で初めて導入し、システムを使用した最初の作品として宮崎駿監督最新作『ハウルの動く城』が上映されている。DLPデジタルシネマシステムは402席の「シアター7」、322席の「シアター9」の2つに設置されている。また全シアターに輝度の高い「マイクロパーフォレーションスクリーン」、「シアタードルビーデジタルEX・dts」を採用し、高画質・高音質で映画を楽しめるほか、最も大きい「シアター7」にはスカイウォーカーサウンドとパイオニアが共同開発したスピーカー「TAD」を設置し、より高音質での鑑賞を実現。

宮崎駿監督最新作『ハウルの動く城』

同館では毎月22日は「夫婦の日/カップルデイ」として1,000円の特別料金としている。東急レクリエーション総務部の山脇さんは、「カップルや家族をメインターゲットに据え、内装も「横浜」という立地に相応しい「シック」なものになっている。地元に住むお客さんと観光客の両方に喜んでもらえるようなサービスを目指し、年間100万人の動員を見込んでいます。フレキシブルな対応で様々なサービスを開拓していきたい」と語る。メインシアターには、リクライニング機能と専用テーブルを備えたエグゼクティブシートとカップル・ファミリー向けのペアシートやチャイルド・シートを設置するなど、カップルや家族連れの方への快適な鑑賞環境を実現。また並ばずに席が取れるインターネットチケット購入システム「良・席・予・約」、飲食店との提携した「映画と食事のセットチケット」などの新サービスも実施する。4階のMM21地区を一望できる場所にはカフェコーナーがあり、鑑賞前後の歓談の場として利用できる。ヨコハマの新たなデートスポットとして人気を呼びそうだ。

109シネマズMM横浜
109シネマズMM横浜 シアター内の様子 シアターが並ぶ様子 ハーゲンダッツのチョコナッツクッキーサンデー

■横浜最大級のライブハウス 『横浜BLITZ』

「東京放送(TBS)直営のライブハウス『横浜BLITZ(横浜ブリッツ)』は11月14日にオープンした。昨年秋に閉鎖した「赤坂BLITZ」から約1年、機材を一新しての復活だ。2階は固定座席が300席、1階を座席として使用した場合は合計848人、スタンディングで使用した場合は合計1,700人収容できる、横浜で最大級のライブハウス。ホールは天井高12,6メートル、1階壁面にはヒビノ音響の協力のもと、横浜ブリッツが独自に企画・設計した36台の「サラウンド・スピーカーシステム」を導入。会場にはバーコーナーを設置、ドリンクの提供も行なう。

横浜BLITZ

横浜BLITZのこけら落とし公演は11月14日のミッキー吉野のプロデュースによる「横浜 BACK BAY BLUES SESSIONS 2004」だったが、11月6日にクローズドイベントとしてtvkの番組「saku saku」にレギュラー出演しているモデル・歌手の木村カエラの第2弾シングル「happiness!!!」発売記念限定ライブを開催した。新曲CDを購入したファン2,800人を無料招待して、「saku saku」に登場するキャラ「ジゴロウ」とのトークと新曲を含む6曲を演奏した。横浜BLITZ支配人でTBS事業局の佐野さんは「アーティストの東京への集中によって、東京では客の奪い合いが起こっているなか、まだ未開発と言える神奈川の大きなマーケットは魅力的。横浜にゆかりのある若いアーティストを応援し、ブリッツがストリートの次のステップとなるようなものにしていけたら」と語る。

木村カエラ 木村カエラ公式ブログ「Kaela★Blog」
横浜BLITZ 横浜BLITZ外観 ステージの様子

■ハウスウェディング 『ベイサイド迎賓館・ベイサイドガーデンクラブ』

テイクアンドギヴ・ニーズが手がけるハウスウェディングの新会場『ベイサイド迎賓館・ベイサイドガーデンクラブ』は10月2日にオープンした。同施設は隣接する独立した2つの敷地にそれぞれデザインの異なる邸宅が存在するタイプで、各施設では貸し切りによるアットホーム感、高級感を味わえることが特長。新郎新婦の希望に沿ったウェディングづくりをウェディングプランナーが結婚式当日まで専属でサポートしている。同会場のウェディングプランナーは、10月から放送しているTBSドラマ「夫婦。」のウェディング監修も担当している。テイクアンドギヴ・ニーズPR担当の樫木さんは「1日何組もの挙式を行うホテルとは異なり、1日2組限定にして貸切のゆったりとした贅沢感を大切にしています。自分たちの好きなようにウェディングができるサービスが人気で、すでに予約は1年先まで埋まっています」と語る。挙式披露宴にかける費用は全国平均280万円ほどだが、テイクアンドギヴ・ニーズでの平均は約400万円だという。話題の著名人を起用したオリジナルビデオメッセージを用意したり、放送作家のおとまさと氏を映像部門プロデューサーに起用するなど、新しい試みを行っていることも人気の秘訣のようだ。

TAKE and GIVE NEEDS TBSドラマ 「夫婦。」
ベイサイド迎賓館 ベイサイド迎賓館 ベイサイドガーデンクラブ

■開港当時の「遊」と「食」を再現 『横濱はじめて物語』

タイトーは、文明開化時の横浜発祥をテーマにしたアミューズメント施設『横濱はじめて物語』をシネマコンプレックス・アミューズメント棟1階にオープンした。同施設は650坪の広大なフロアで、横浜開港後に初めて横浜から日本に入ってきた外国文化をテーマに、「遊」と「食」によるサービスを提供している。「遊」としては、射撃・野球・競馬などの横浜発祥に関連した遊びやなつかしいレトロゲームに加え、最新のアーケードゲームなどを揃えている。ロングドレスやチャイナドレスを無料で貸し出して、プリントシール機で写真が撮れる「ペルリ写真館」など、ユニークなサービスも。また、横浜から日本に入ってきた文化を紹介する「横濱もののはじめゾーン」も設置されている。スタッフが開港当時の衣装で出迎えてくれるのも同施設ならでは。

また「食」としては、洋食・カフェ・ビールをテーマに、フードコート形式で開港当時のメニューを提供する。商品開発やフードコートのプロデュースを手がけるのは、昨年9月にトータルプロデューサーの青島邦彰氏が設立した「COONEEDS ASSOCIE(クーニーズ・アソシエ)」。「洋食高島亭」では「開港牛鉄鍋定食」や「濱の海軍オリジナルポークカリー」など、開港当時のレシピから昔ながらの洋食を再現したメニューを、またカフェ「ミルクホール」ではミルクセーキや横浜発祥のアイス「アイスクリン」などを提供。ビアホールでは明治時代から昭和初期にかけて普及し、お好み焼きの原型となった「一銭洋食」などのメニューを提供している。「COONEEDS ASSOCIE」チーフフードプロデューサーの梅本さんは、「年配の方には懐かしい感覚を味わっていただき、若い人には未体験の新しい感覚を伝えたい。昔懐かしい『ホッとする味』をお届けします」と語る。フードコートの飲食スペースは約100席で、黒船を再現したモニュメントの上もテーブル席となっている。営業時間は10時から24時(飲食店は一部営業時間が異なる)。

TAITO
横濱はじめて物語 横浜もののはじめ 最新のアーケードゲーム 洋食高島亭

■客の様々なニーズに応えるショップ&レストラン

シネマコンプレックス・アミューズメント棟1階にはショップやレストランが出店している。群馬県を中心に生活雑貨店を展開しているハーフトーンは、「HUMPTY DUMPTY 横浜みなとみらい店」をオープンした。同店は11店舗目となる直営店で、神奈川県へは初出店。「毎日の暮らしを楽しく快適に」をテーマに、インテリア、グリーン、キッチン、インセンス、アクセサリー、ウェアー、ペットグッズなどを扱うライフスタイル提案型の雑貨店で、約230坪のゆったりとした売場面積に約2万点のアイテムを揃えている。客単価を2,000円から3,000円と想定し、年間売上目標は3億円。営業時間は11時から22時まで。代表取締役の貫井哲夫氏は、「お客さんの9割を占める女性が楽しめるような生活雑貨を揃え、地元の方に愛される店舗を目指しています。これまで郊外店を展開してきた弊社にとって、横浜みなとみらい店は初の都心部への出店。同店を契機に、今後は神奈川や東京にも店舗を拡大していきたい」と語る。

HUMPTY DUMPTY

また世界41ヵ国で展開しているデザートショップの「YOGEN FRUZ」も出店。「YOGEN FRUZ」は新しいオーダースタイルが人気で、客は店頭のディッピングケース内に陳列してある10~20種類のフローズンフルーツから好みのものを選ぶ。ショップスタッフがそのフルーツとヨーグルトの栄養を含む「フローズンバー」を専用の機械で圧力を掛けミックスし、ソフトクリームのようにカップやワッフルコーンに盛るというもの。フルーツを2種類ミックスしたり、クッキーやナッツなどをトッピングするなど、自分だけのオリジナルテイストが味わえることが魅力だ。また飲食店ではスペシャリティコーヒーショップの「BLENZ coffee」、ファミリーレストランの「ジョナサン ゲント横浜店」が、さらにコンビニエンスストアの「サンクス ゲント横浜店」も出店し、客の様々なニーズに応える複合施設となっている。

YOGEN FRUZ BLENZ coffee ジョナサン サークルKサンクス

今年に入り、新高島駅を中心とするエリアは開発事業予定者が続々と決定している。MM21地区66街区には日産自動車が2010年までに大規模ショールームを備えた世界本社ビルを建設する計画で、55、56街区にはセガが大型複合エンターテイメント施設を建設する予定だ。67街区には家電量販店の最大手であるヤマダ電機が進出する計画も発表されている。今後ますます開発が進む同エリアの先導的役割を担う『GENTO YOKOHAMA』の今後に期待したい。

GENTO YOKOHAMA
HUMRTY DUMPTY 横浜みなとみらい店 HUMRTY DUMPTY 横浜みなとみらい店 YOGEN FRUZ YOGEN FRUZ フローズンフルーツ
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