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「AIDS文化フォーラムin横浜」が20周年ー理解深める70の企画

ネイルにレッドリボンを描いて、身近な人にエイズについて伝えていく草の根型啓発キャンペーン「ネイルにレッドリボンを」。

ネイルにレッドリボンを描いて、身近な人にエイズについて伝えていく草の根型啓発キャンペーン「ネイルにレッドリボンを」。

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 AIDS(後天性免疫不全症候群)について、幅広い視点で学び、交流する「AIDS文化フォーラムin横浜」(同組織委員会主催)が「これまでの20年 これからの20年」をテーマに8月2日、かながわ県民センター(横浜市神奈川区鶴屋町2)で始まった。

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 20回目となる今年は、これまでの活動の原点を振り返る企画に加え、京都や岩手県陸前高田市で開催するAIDSフォーラム運営者による発表も行われ、エイズについての理解を深めながら、新たなネットワークの広がりを確認できる3日間となっている。

 同フォーラムは、1994年に横浜市で「第10回エイズ国際会議」が開催されたことを機に同年、横浜YMCAや保健・医療関係者、神奈川県国際交流協会など、さまざまな個人・団体でつくる「組織委員会」が、神奈川県などとの共催でスタートした。

 20周年記念となる今回は、約70の講座や発表が行われ、60人のボランティアスタッフが運営を切り盛りする。講座のほとんどが組織委員会の公募にこたえて寄せられた企画で、海外でのエイズボランティア報告や即興劇など多彩な内容となっている。特に、若者を対象とする感染予防啓発プログラムや発表・ワークショップが充実している。

 オープニングとして行われたパネルディスカッション「AIDS文化フォーラムin横浜の役割を考える」では、初回のフォーラムに関わった南定四郎さん(エイズアクション=肩書きは当時)、初代事務局長・長澤勲さん(横浜YMCA=同)、運営委員・岩室紳也さん(医師、神奈川県秦野保健所=同)、岡島龍彦さん(神奈川県衛生部=同)の4人が集まった。

 病気についての情報がなく、根拠のない恐れもみられた時代にフォーラムを立ち上げた経緯や、「文化」という言葉がイベントタイトルに入った意味、行政からの支援をほとんど受けずに20年間活動が続いた理由などについて、トークを展開した。

 神奈川県によると、県内のHIV感染者は約930人、エイズ患者は約940人で合計約1,400人(2011年12月)。20代~30代が半数以上を占める。

 現在も運営委員続ける地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター・センター長の岩室さんは「エイズを学ぶのではなく、エイズを通して、生や性を学ぶフォーラムだったからこそ、続いてきた。今年も、多様な視点から参加できる講座やワークショップがそろっている。若い人たちにぜひ、足を運んでほしい」と呼びかけている。

 参加費は無料。開催は4日まで。

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