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うなぎの名店「横濱八十八」が復活-石川町と吉田町にオープン

「横濱八十八」石川町店前に立つ社長の荒井テイコさん

「横濱八十八」石川町店前に立つ社長の荒井テイコさん

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 うなぎの名店として市民に親しまれながら、2001年に閉店した「横濱八十八(やそはち)」が、中区に2店の新店舗をオープンした。

吉田町店内に立つ女将の浅倉美彌子さん

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 新店舗は2月23日にオープンした「横濱八十八」石川町店(横浜市中区石川町2)と、3月8日オープンの「横濱八十八」吉田町店(中区吉田町10)。うな丼をメーンに、気軽に立ち寄れるように配慮した石川町店と、お重を用意した高級志向の吉田町店の2店の暖簾(のれん)を復活させた。

 同店の開業は1910年。初代の女将・荒井米さんが伊勢佐木町付近に出店。米さんの名前をくずし、「八十八」と名付けられた。さっぱりした味付けのうなぎが著名人にも愛され、人気を博した。その後、関内や横浜駅ビルなどに出店。最盛期には合計4店舗をかまえたが、2001年に最後の店舗が閉店。孫娘の荒井テイコさんは3年前から出店を考えていたが、震災やうなぎの不漁などもあり、なかなか実現しなかった。

 しかし、再興の第一歩として横浜開港記念バザーに限定出店したところ、連日完売。スタッフは追加の確保に終われた。この反響に後押しされ、実店舗の開店を決意。石川町店は当初仕込みと通信販売を中心とする予定だったが、商店街の人々の応援に押され、うな丼の提供が決定した。石川町店のメニューは小ぶりうな丼(1,300円)、うな丼(2,200円)、うなぎの煮こごり(500円)など。

 吉田町店は、かつて銀行として使われていた建物を改造した、お祝い事にも使える高級志向の店舗。店内にはイラストレーターの柳原良平さんが描いた横浜の風景画や、作家の山口瞳さんが描いた書などが展示されている。メニューはうな重(3,500円)、白焼き(3,200円)のほか、横濱ビフテキ重(3,200円)、うな重のお膳料理「幾世」(5,900円)、ビフテキ重のお膳料理「高尾」(5,900円)などが用意されている。また、平日昼限定のお得なお膳料理も提供。

 吉田町店の女将・浅倉美彌子さんは「多くの方々の協力で、ここまでこぎつけることができた。『八十八のうなぎを食べて、初めてうなぎをおいしいと思った』という声も届いている。ぜひ、本物のうなぎを味わってほしい」と話す。

 また、社長の荒井テイコさんは「初日は19時にはうなぎが売り切れるほど、多くのお客様が来てくださった。八十八のうなぎを楽しみにしてくださった方がたくさんいるというのがとてもうれしい。今後は、店を増やしてより多くの人にうなぎを食べていただきたい」と話している。

 石川町店の開店時間は11時~14時、17時~20時。吉田町店は11時~14時30分、17時~21時30分。土日、祝日は終日営業。ともに月曜定休。月曜祝日の場合は火曜休み。

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