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帆船日本丸で海の日祝う登檣礼-かけ声は「東北復興・がんばろう」

帆船日本丸の「総帆展帆」「満船飾」の様子

帆船日本丸の「総帆展帆」「満船飾」の様子

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 帆船日本丸・横浜みなと博物館(横浜市西区みなとみらい2)で「海の日」の7月18日、船舶の最高儀礼「登檣礼(とうしょうれい)」が行われる。

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 「帆船日本丸」は全長97メートル、定員138人の元練習帆船。1930年に船員養成のために建造され、昨年1月27日に進水80周年を迎えた。また、1985年に国指定重要文化財としてみなとみらい21地区、旧横浜船渠(せんきょ)1号ドックに係留され、現状保存をしながら往時の活動を解説してきた。

 18日は、海の日を祝う「登檣礼」「汽笛吹鳴(きてきすいめい)」のほか、帆船日本丸の29枚すべての帆を広げる「総帆展帆(そうはんてんぱん)」、船首からマスト頂部、船尾を国際信号旗で飾る「満船飾(まんせんしょく)」、小机城址太鼓による「海の祝い太鼓」が行われる。

 日本丸の登檣礼は、通常「海の日おめでとう」という掛け声だが、今年は東日本大震災を受けて、「東北復興」「がんばろう(ガンバロー)」「がんばろう(ガンバロー)」というチアリングに変更する。当日は、訓練を受けたボランティアスタッフ約100人が、舳先(へさき)や帆桁(ヤード)、最も高いところで海上から約46メートルのロイヤルヤードの上に登り、帽子を振る。

 横浜みなと博物館の特別展示室では16日より、生命の誕生や深海生物、生物多様性を知り、海の未来を考える「のぞいてみよう深海の不思議展」が開催される。

 帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体広報担当の佐野裕美さんは「登檣礼は、1年に一度やるかやらないかの貴重な催しです。16日は、船の折り紙教室やクイズラリー、ロックコンサート。17日には、踊りが大好きな幼稚園児から大学生の皆さんによる『いずこい踊り』も開催します。16日から18日までイベントが盛りだくさんですので、ぜひお越しいただければ」と話す。

 帆船日本丸・横浜みなと博物館の共通券=高校生以上600円、小・中学生・65歳以上300円。小学生未満無料。16日は小・中・高校生は入館無料。

 「登檣礼」は16世紀末のイギリス海軍が皇族らの送迎、司令官や艦長の交代の際や、出征、遠洋航海など壮途に就く船に敬意を表する際、乗組員全員が甲板に整列することができず、帆桁の上に登ったことが始まりといわれ、礼式として行われるほか船の安全なども示す。日本では、1953年に当時の日本丸船長だった千葉宗雄さんが海外の海軍に学んで取り入れたのが最初。当時は日本の「エイ、エイ、オー」にあたる「ヒップ、ヒップ、フレー」という掛け声で行われ、現在ではそれぞれの行事に合わせて掛け声を変えている。

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