映画「中華学校の子どもたち」が封切り-片岡希さん初監督作品

映画「中華学校の子どもたち」より

映画「中華学校の子どもたち」より

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 映画館「横浜ニューテアトル」(横浜市中区伊勢佐木町2)で11月22日より、横浜山手中華学校(中区山手町43)の小学部1年生の日常を3年間にわたって記録したドキュメンタリー映画「中華学校の子どもたち」が公開されている。

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 映画は、「ヨコハマメリー」でプロデューサーを務めた片岡希さんの劇場公開初監督作品。日本語と中国語のどちらも話す子どもたちの日中二国を意識せざるをえないアイデンティティの揺らぎ、政治に翻弄(ほんろう)されつつも民族の文化を次代に伝えていこうとする華僑の人たちの意思などが、教師や、横浜中華街の担い手となっている卒業生たちの言葉から浮き彫りにされている。また、関帝廟(かんていびょう)や媽祖廟(まそびょう)を「庭」のように飛び回る小学校低学年の子供たち、春節の獅子舞に真剣に取り組み、街中で舞いを披露して歩く中学生の映像などを通して、観光地ではなく一つの濃密な「コミュニティとしての中華街」が描かれている。

 監督の片岡さんは、1977年岡山県生まれ。中国の北京電影学院で映画を学んだ。今回の作品では監督、プロデューサー、撮影を務めている。撮影は三菱横濱造船所最後の進水船の記録「造船」や根岸競馬場のドキュメンタリー「横浜秘史"ハマの鹿鳴館の変遷"」などを撮った樋口伊喜夫さんと、「ヨコハマメリー」(中村高寛監督)や「パッチギ!」(井筒和幸監督)の撮影を務めた山本直史さん。製作は、コンテンツ流通事業者「ブロードメディア」の子会社の「ブロ-ドメディア・スタジオ」で、同社初の自社製作映画作品となる。作品は12月以降、銀座、神戸、長崎、大阪など全国で順次公開される。

 作品について片岡さんは、「3年間見つめてきた子どもたちの小さな世界。そして、彼らを陰ながら支えてきた華僑の大人たちの激動の人生を重ね合わせながら観て頂ければと思います」と話している。

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